NTT西日本硬式野球部が宮崎でキャンプを張っての5年間で雨に降られたのは数日間だったのが、今年はキャンプ初日からの5日間で晴れたのは僅か1日。本当に今年の宮崎は雨がよく降っている。
基礎練習から実戦形式の練習に移行する大事な時期に、練習が出来ないことがどういった影響を及ぼすのか? しかし、雨がやんだ隙間をぬってバッティング練習に励む野手、我先にブルペンで投げ込みを行う投手陣を見つめる村本監督の顔には焦りの色を見ることは出来ない。 「確かにグランドで練習できないことは残念ですが、キャンプに入る前に淀グランドできっちり練習してきましたから、焦ることはないです。こういった事だってありますよ」と笑顔で話してくれた。 実際、投手陣では昨年からの好調を維持している大西投手をはじめ、糸川投手、2年目の斉藤、岸田両投手は今すぐにでも実戦に登板できる状態まで仕上がっている。打撃陣では今年の打線の中心となるであろう西田選手と怪我もなく順調にキャンプを向かえている山崎選手がサク越えを連発している。
昨年はじめて新人選手が6人入部したが、1年経って彼らはどう変化したのか? 「去年のキャンプではこれからどう成長するか分からない選手でしたから、様子見のところが多かったですね。しかし、去年1年間でチームの中心選手に育っています。今年も楽しみですよ」と村本監督が言うように積極的に練習に励む姿を見ることが出来る。
昨年の新人選手同様、チームに慣れることが先決なのか、まだまだ硬いところはあるが去年同様1年間で成長する選手が出てくることもあるので、期待したい。
これまでNTT西日本硬式野球部を支えてきた中核選手、ベテラン選手はどうだろう? もちろん、新人選手に押されているわけではない。オフシーズンに自分達のすべきことをキチンと考え、実践してきたことで非常にいい状態でキャンプを迎えている選手が多い。その代表選手が山崎選手だ。ここ数年怪我に悩まされてきたが、今年は怪我もなく順調だ。バッティングゲージから出てきた山崎選手に「ヤマ!今年は頼むぞ!」の声が飛ぶ。 例年以上にポジション争いが熾烈化しそうな勢いだ。
新人の入部で大きく変わったNTT西日本硬式野球部。若返りを図りながら「戦う集団」そして「勝つ集団」に変貌しようとしている。最後に村本監督が全体を総評してくれた。 「これまでは選手の体調とかをみて「あまり無理するな」とか言って調整してきたけど、これからは「鍛えながら育てる選手が多くなったので、楽しみですよ」
既にオープン戦も始まり、新しいNTT硬式野球部の姿を見ることが出来る。
地元の宮崎日日新聞にNTT西日本硬式野球部のキャンプが取り上げられている。
記事要約 「社会人野球日本選手権ベスト4の強豪チームNTT西日本硬式野球部が、都市対抗大会、日本選手権での頂点を目指して、佐土原町営久峰野球場で春季キャンプを張っている。選手の中には宮崎県出身で、昨年社会人野球ベストナインに選ばれた西田朋生選手もおり、活躍が期待される。「キャンプは年々成果を上げている。今年こそ日本一になって地元や会社に恩返ししたい」と村本監督。」
雨の日は外での練習が出来ないので、その時間にミーティングが行われる。ミーティングではサインの確認など、戦術的なことはもちろん行われるが、社会人野球の選手としての心得やチーム一体感の大切さなどメンタル的な部分も話し合われている。