72.1%の企業が人材育成に「問題あり」と認識

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2010年3月 掲載

72.1%の企業が人材育成に「問題あり」と認識
費用対効果が大きく、現場への負担が少ない研修を実現する「eラーニング」

「次世代を担う人材を育成したい」という企業経営者の強い思いは、景気回復がなかなか進まない中でも変わっていないようです。しかし対象者を集めて行う集合型の研修にはコストがかかり、たびたび行うことができないのも事実。そこで注目を集めているのが、インターネットなどネットワーク上で教育プログラムを展開する「eラーニング」です。

厚生労働省が2009年6月に発表した「平成20年度能力開発基本調査」には、従業員の能力開発に対する企業の積極的な姿勢が現れています。30人以上の常用労働者を雇用する企業約7900社に対して行った調査で、従業員の能力開発の主な責任は企業にあるか、それとも労働者個人にあるかという問いに対し、「企業の責任である」「企業の責任に近い」とする回答が、正社員の場合で計64.2%、非正社員の場合でも52.1%にのぼりました。しかも今後についてはその割合はそれぞれ73.4%、59.3%にまで上昇している点からも、企業は能力開発を通じた人材育成を自身の責務と考える傾向が強まっていることが伺えます。

グラフ

■従業員の能力開発の責任主体
(厚生労働省「平成20年度能力開発基本調査」)

その一方で現状の人材育成に関し、問題をかかえている企業は少なくないようです。同調査によると人材育成に関して「問題がある」と回答した企業は72.1%にのぼります。その問題点の一つに、「人材育成を行う時間がない」という点が挙げられています。研修の対象者を一カ所に集めて研修を行う場合、その研修対象者は当日現場を離れることになるため、対象者がいる現場では業務の調整が必要なケースがあります。シフト制を組んで業務を行っているような企業では、他のスタッフのスケジュールにも影響が出てくるでしょう。さらに、現場の繁忙期を考慮に入れながら講師の予定や会場をおさえることになるため、予定が合わない限り研修は実施しにくくなります。

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■人材育成に関する問題
(厚生労働省「平成20年度能力開発基本調査」)

加えて、「育成を行うための金銭的余裕がない」ことも挙げられています。育成の為の研修を行うとしても、講師への支払い、研修施設の利用料、また対象者を研修会場に集めるためには旅費などのコストがかかり、特に広域でビジネスを行っている企業となると、研修実施に伴う旅費は大きくふくれあがりがちです。外部の研修施設を利用する場合は、当然ながらその利用料がかかるでしょう。

日常利用しているパソコンで研修を受講可能

「eラーニング」はこれらの問題を解決できるツールとして、企業の研修担当者などからの期待が高まっていくと考えられます。eラーニングは研修プログラムをコンピューター上に展開し、研修対象者などエンドユーザーは、インターネットなどネットワーク経由で受講できるようになるシステムです。研修対象者は日常利用しているパソコンで研修プログラムを実施することも可能なため、場所や時間に対する制約は大幅に減ることが期待できます。

eラーニングは単に研修素材をパソコン上に表現するだけでなく、どこまで研修を終えたか、どの程度理解したかを、課題の実施状況などを通して管理者がチェックできるものが主流です。ただパソコンの画面に書かれた内容を読ませるだけの研修では、研修対象者に集中させ続けるのは困難ですが、理解度チェックの課題に取り組ませたり、関心を持たせるために音声や動画を使ったりすることが可能なeラーニングでは、研修対象者が楽しく研修に取り組むようになることも期待できるでしょう。

不況の中でも人材育成ニーズは不変

eラーニングに対する企業のニーズ拡大を裏付けているのが、民間総合調査機関の株式会社矢野経済研究所が2009年4月に発表した「eラーニング市場に関する調査結果2009」です。同調査によると、2008年度の国内eラーニング市場全体の規模は1,313億円で、前年度比2.1%減と見込んでいます。ただし前年度比で減少の主な要因は主にゲーム機向けの学習ソフトのブーム一段落によるものと指摘しており、インターネットやイントラネットなどのネットワークを媒介としたeラーニングに限っては、2008年度は665億円で前年度比12.7%増と堅調に推移し、2009年度も同0.8%増(670億円)とわずかながら拡大すると予測※しています(※2009年3月現在)。

グラフ

■eラーニング市場規模推移
注1.ネットワーク・ラーニングサービスは売上金額ベース、ソフトウェア・ラーニングはメーカー出荷額ベース
注2.(予)は予測値(2009年3月現在)
出所:株式会社矢野経済研究所「eラーニング市場に関する調査結果2009」(2009年4月20日発表)

同研究所では「優秀な労働力を育てたいという需要は不況の中でも不変で、交通費や移動費の削減といった経費削減の観点から、集合研修をeラーニングに切り替えることが期待される」と分析しています。eラーニングの中でもネットワーク上で研修プログラムを実施している、主に企業向けのeラーニングの市場規模が拡大している理由は、ここにあるようです。

もっともeラーニングが高度に発達したとしても、集合研修がすべて無くなることはないでしょう。例えば接客マナー研修やプレゼンテーション技能の研修のように、顔を合わせながらでなくては進めにくい研修は集合研修で、知識の習得を目的とした研修はeラーニングでなど、内容に応じた人材教育プログラム全体の最適化が、今後の人材育成計画を立案するうえで重要と言えそうです。

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