QoS

2010年3月 掲載

QoS(キューオーエス、Quality of Service:クオリティオブサービス)

QoSとは、ネットワーク上で提供する機能を安定的に稼働させるために行う、サービス品質管理技術です。

ネットワークで扱うデータの多様化が進んだことで、個々のデータの特性に応じたQoSの提供が重要になっています。

キーワード解説

ネットワークにはさまざまなデータが流れます。時には多くのデータが集中的に流れて滞留が起こり、ネットワークを使って動作している機能に支障をきたすこともあります。そこで個々の機能の特性が損なわれないようにネットワークの設定を調整するのがQoSです。具体的にはネットワーク同士を結ぶルーターや専用機器の設定により実現しています。

QoSが特に求められるのが、インターネットを利用したIP電話やテレビ会議など、音声や動画などをネットワーク上で伝送するケースです。2つのユーザー間で一定時間回線を占有できるネットワークと違い、インターネットのようなネットワークは大人数で回線を共有するために、データを細かく分割して送るパケット交換方式がとられています。回線にデータが集中して伝送が遅れがちになっても、データを受け取った側では最終的には回復できるからです。しかし音声や動画をネットワークでやり取りしようとすると、伝送の遅れは会話の途切れや動画のコマ落ちなどユーザーにはっきり分かる形で表れるため、品質の低下に直結します。動画や音声だけでなく企業の基幹システムでも、遅延は業務の停滞を招きます。そこでそうしたデータに限っては"特別扱い"し、他のデータの混雑に巻き込まれないようにするのがQoSの目的です。

音声や動画などリアルタイム性が必要なデータにとっては、ネットワークの渋滞からの回避が求められる

帯域はそのままで効率を上げる

QoSの手法は大きく分けて「帯域制御」と「優先制御」の2つがあります。帯域制御は、ネットワークの混雑による遅延を防ぐために、音声や動画などのデータを送るための帯域をあらかじめ確保しておくものです。ルーターはこれらのデータが流れてきた場合は用意した帯域に誘導し、ネットワークに流れるデータが多く渋滞が発生していても、その影響を受けずに伝送できるようにします。道路に例えるならば、バスの定時運行のために専用レーンを設けるようなものです。

これに対し優先制御は、すべてのデータは同じネットワークを通りますが、音声や動画などのデータに対しては後から来ても優先的に通させるものです。前もって決められたデータ別の優先順位に従い、優先度の高いデータを先に通すように誘導します。道路で言えば、救急車が後方から近づいてきた場合に一般車両は道を空けるルールのようなものと言えるでしょう。

帯域制御は優先するデータ専用の帯域(車線)を用意し、優先制御では優先するデータを先に行かせる

このほかにもルーターに大量のパケットが送られたために、処理できず再送信を繰り返すことで起こるネットワークの混雑や、ネットワーク間で伝送の速度が合わないことによるルーターの処理能力のパンクも、QoSによって解消することができます。

もっともこうしたネットワークの混雑は、契約しているネットワークの帯域自体を広げれば起こりにくくはなります。しかし当然ながら大きな帯域の契約にはコスト増が伴います。最近では通常の帯域はそのままでも瞬間的なデータ量増大に対応できる「バースト」と呼ばれるサービスも始まっていますが、これも新たなコストがかかるのには変わりありません。恒常的に帯域不足というのでない限りは、QoSで帯域を節約しながら使うのが賢明です。

QoSが安価で高品質なサービスを実現

NTT西日本が現在サービス提供エリア拡大中の次世代ネットワーク(NGN:Next Generation Network)では、このQoSを活用したサービスがさらに広がることが期待されています。次世代ネットワークはもとからインターネットの技術を使って構築されているため、音声利用を前提に発展してきた従来のネットワークよりもインターネットとの親和性が高く、QoSによるサービス品質の管理を今まで以上に正確に行うことが可能になるためです。その結果、安定した伝送品質が確保され、専用線よりも安価に利用できるサービスも続々登場しています。それを可能にしているのがQoSなのです。

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