BCP

2010年1月 掲載

BCP(ビーシーピー、Business Continuity Plan;ビジネスコンティニュイティープラン)

BCPとは日本語訳の「事業継続計画」という名のとおり、緊急時にいち早く事業を再開させるための行動計画のことです。

自然災害や事故、集団感染など企業活動の停止に迫られる事態が発生した時のために、必要な復旧体制などを規定しています。サプライチェーンの高度化などにより、企業にとってBCPを策定する意義がますます高まっています。

キーワード解説

2007年夏に新潟県中越沖で発生した地震では、震源地に近いところに位置する自動車部品工場の操業が全面ストップし、その影響で自動車メーカー各社の操業も停止に追い込まれるなど、一社の被害が業界全体にインパクトを与えうることが明らかになりました。最近では、新型インフルエンザ上陸の際に従業員の感染防止の取り組みが必要になるなど、企業にとって災害や事故に対する備えが重要なことを、改めて思い知らされる事件が続いています。

BCPはこうした大きなトラブルの際に、従業員の安全確保を図りながら事業を迅速に再開させるために、必要な体制や復旧手順などを規定したものです。特にITを活用した業務システムについて、具体的な復旧方法を定めることがBCPでは重視されています。

BCPは自然災害や事故でビジネスに重要なシステムが停止した場合、迅速に復旧しビジネスを再開させるための行動計画

重要度に応じた復旧手順

例えば業務処理を行うシステムやデータについて、BCPではそれぞれの重要度や損失時の影響を分析し、重要度に応じた平時のバックアップ体制やトラブル時のリカバリー手順などを定めます。金融機関であれば顧客の預金を管理する勘定系システム、メーカーであれば主力商品の生産管理システムなどは、停止すると対外的に影響の大きいシステムと言えるため、万全の被害防止体制と万が一の際の迅速な復旧方法の策定が必要です。BCPでは目標復旧時間を明確にし、この目標を達成するための計画を策定していきます。

一方で例えば社内の文書決裁システムなどは、災害などで停止しても事業継続に与える影響は相対的に小さく、少々の停止は許容されるため、復旧のためにリソースをそれほど割く必要はないでしょう。このようにシステムの重要度とリスクを見極め、そのレベルに応じたメリハリのある復旧手順を策定していきます。

また従業員がそもそも被害を受けていないか、システムの復旧活動にあたるスタッフの招集が可能かなどを確認するシステムも、事業を継続していく上では重要です。自然災害時には電話回線が混雑したり、回線自体が被害を受けたりして、通話による連絡が取りにくいことがあります。その時に備えて、携帯電話のメール機能を使った安否確認システムや衛星電話を活用することも、被害からの迅速な復旧を目指す方法として有効と言えます。

在庫圧縮でBCPが一層重要に

BCPの策定が重要視されてきた背景には、さまざまな業界でその構造が、一社で部品から完成品まで手がける垂直分業から、自社が強みを持つ分野に特化した水平分業にシフトしてきていることが挙げられます。取引先が限られる垂直分業と違い、水平分業型の企業はさまざまな企業と広く取引を持つことになります。災害などで企業活動が長期間停止した場合に、その影響が業界全体に一気に広がるだけでなく、競合他社に取引先を奪われる恐れもあります。企業が事業の「集中と選択」を進めた結果、BCPの重要性が高まったというわけです。

SCMの活用で企業が在庫の圧縮に取り組んだ結果、製造停止の影響がすぐに他社にも広がるようになったため、BCPの策定が重要に

SCM(サプライチェーンマネジメント)システムの活用などで、メーカーが在庫を圧縮できるようになったことも、BCPの必要性を高める要因にもなっています。SCMによりメーカーは出荷状況に合わせて部品などの調達を最適化することが可能になり、在庫を極力圧縮することが可能になりました。余分な在庫の圧縮は財務面で効果的ですが、半面いったん事故などで調達先からの部品供給が滞ると、在庫が少ないため調達元であるメーカーの生産活動もすぐに停止してしまいます。

言い換えれば、メーカーは在庫圧縮と調達先のBCP策定を並行して行わなければ、本当の経営の安定にはつながらないことになります。そのためBCP策定状況を調達先選定の判断材料にするメーカーもあり、BCP策定次第で取引のチャンスさえなくなる可能性も出てきているのです。

遠隔バックアップなどの環境を提供

特にBCPで重要なのがデータのバックアップ体制です。バックアップ体制強化への取り組みとしては、一度の地震で同時に被害を受けない遠隔地でのバックアップ取得や、平時の監視体制、災害時に備えた訓練や、実際の災害時に行うバックアップシステムへの切り替えなどの対応マニュアル策定などがあります。NTT西日本では、万が一の災害にも備えるこれらの対策をトータルでご提案し、お客様のBCP策定に貢献しています。

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