相手の得のために動く

写真:和田 裕美
人に好かれる接し方 2008年10月
和田 裕美/営業コンサルタント 株式会社ペリエ 代表取締役
外資系企業の営業職として世界2位の成績を収め、その売り上げの4割は紹介・リピートで占められていたという和田裕美氏。現在、営業コンサルタントとして活躍するほか、コミュニケーションに主眼を置いたセミナー「人に好かれる話し方教室」を主催する和田氏が語る、人に好かれ、人の心をつかむための接し方。

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プロフィール

京都府生まれ。日本ブリタニカ入社。
個人売り上げ世界2位(142カ国)の営業成績を記録。女性初・史上最年少の代理店支社長をはじめ、正社員登用後は企 画室長、マーケティング部長、営業部長を歴任。2001年株式会社ペリエ設立。
営業力・人間力アップの講演・セミナーで活躍中。「和田裕美の『人に好かれ る話し方教室』」なども開催。

主な著書

写真:主な著書

私が心を揺さぶられたひと言

「お前もそろそろ部下を育ててみなさい」と突然、上司から言われたのは24歳の時、フルコミッション(完全歩合制)の営業を始めて半年が過ぎたころでした。

当時、ようやく売り上げが上がるようになったばかりだった私は上司に言いました。

「私はまだ経験もありませんし、人を育てることなんてできません。今は無理だと思います」

すると、上司はすごい剣幕で私を怒鳴りつけました。

「バカヤロー! お前はやりもしないでできないと決めるのか? やったこともないのにどうやって無理だと言うのだ? お前はお客様に何と言って販売しているんだ?」

英会話スクールと教材の営業をしていた私は、お客様にいつも「やってみなくちゃ分からない」と話していたのです。

「お前は人には『やってみないと分からない』と言いながら、自分はやってもいないことを無理だと言うのか。それは矛盾というんだぞ」

黙ってうなずくしかない私に、上司はさらに続けました。

「目の前にあるチャンスは、とにかくつかんでみなさい。挑戦してダメだったら、俺がすぐに降格させてやる。落とすのは簡単なんだ。ただし、自分にできるかできないかは、やってみてから判断しろ! すべてはお前の経験と財産になるんだぞ」

そのひと言が私の心をとらえました。私は気づかされたのです。「やってみる前にできないなんて言ってはいけない」ということを。そして、「挑戦すること」の意味を学んだのです。

以来、私はこの上司の言葉を胸に、女性初の代理店支社長になるまで、部下を育てることへのモチベーションを持ち続けることができたのです。

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注意や助言の「向こう側」の意味を伝える

人の心をつかむには、相手の満足を一番に考え、相手にとって分かりやすく納得できる言葉で話すことが必要です。私の心をとらえた上司の言葉には、私への「得」が込められていました。

説得は「得を説く」と書きます。例えば部下の遅刻を注意する際にも、上司の利己的な目的が透けて見えれば、部下の心に響くはずがありません。部下の人生の ために、今、遅刻を直して生きることがどれほど大切であるか、あなたのことを大事に思うからこそ注意するのだという、相手の得と納得を含めた注意でなけれ ばなりません。

これは、営業におけるお客様とのコミュニケーションについても当てはまります。商品の素晴らしさを語るのではなく、その商品を使うとどうなるのか、その人 にとってどんなふうに生活が快適になり、どんな幸せが待っているのかという想像を巡らせ、その商品がもたらすお客様の新しい世界を語るのです。

つまり、相手の心をつかむには、注意やアドバイスの「向こう側」の意味を伝えること、営業の場合にはその商品の目に見えない付加価値を伝えることが重要なのです。

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相手にとって居心地のいい空気をつくる

もう一つ、相手から好かれることも、心をつかむためには不可欠でしょう。営業でも、多くの人に好かれ、次々とファンができる人こそが、販売実績を上げています。

人から好かれるには、まず相手を受け入れることです。そのためには、相手の話を熱心に聴くこと。身体を相手に向け、相手の目を見て、興味津々に相手の話にうなずく。そして、相手に心から興味を持ち、褒めながら相手に質問するのです。

人は、自分の話を聞いてくれる人、自分に興味を持ってくれる人、自分を褒めてくれる人を好きになります。これは営業に限らず、様々な人間関係でも成り立つ法則です。相手にとって居心地のいい空気をつくれる人こそが、人に好かれ、人の心をつかむことができるのです。

実は、私はもともと人見知りでした。営業では仕事モードに切り替えることで何とか話せますが、今でもパーティなどは苦手です。

しかし、人見知りだったおかげで、相手の反応や表現には敏感になりました。相手が納得していないとすぐに分かるのです。そんなときは「でも、そうはいっても○○ですよね」などと相手の心理に合わせます。相手と同じ気持ちになっていくのが、相手と近くなる秘訣なのです。

先ほど挙げた説得は、本来、「『徳』を説く」という意味を持っています。おごらず、相手を尊重し、相手を受け入れる大きな懐を持つこと。それこそが「心をつかむ」極意だと私は思っています。

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