最強の組織はこうつくる

写真:小笹 芳央
結束力強化のカギはコミュニケーションにあり 2008年2月
小笹 芳央/リンクアンドモチベーション 社長
“世界で初めてモチベーションにフォーカスした経営コンサルティング会社、リンクアンドモチベーションを設立し、社員のやる気を成長エンジンとするモチベーションカンパニーへの企業変革を支援してきた小笹芳央氏。コミュニケーションの活性化こそが、組織の結束力強化のカギだと語る。

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プロフィール

1961年大阪府生まれ。86年早稲田大学政治経済学部卒、リクルート入社。91年人事部人材開発課長。94年組織人事コンサルティング室を創設し室長。 99年ワークス研究所主幹研究員兼務。2000年(株)リンクアンドモチベーションを設立し、代表取締役社長に就任。モチベーションにフォーカスした企業変革コンサルティングで注目されている。

主な著書

写真:主な著書

コミュニケーションが組織の血流となる

―組織の根幹を成すものは何だとお考えでしょうか。

組織は複数の個人が集まってつくられています。その中心には、運動会で行われる「棒倒し」の棒のようなものがあり、それが軸となって複数の人間を結びつけています。その棒の役割を果たすものは何かといえば、ビジョンや理念です。
つまり、組織の核となるのはビジョンや理念なのです。

―ビジョンや理念を実現するためにこそ組織の結束が必要ということだと思いますが、その結束を強固なものにしていくにはどうすればよいのでしょうか。

キーワードは「コミュニケーション」です。

人間は、例えばピラミッドや万里の長城の建設など、一人では実現不可能な目的を達成するために組織をつくり、多くの人たちと力を合わせます。しかし、多くの人たちが集まれば様々な問題が起こります。一人であれば、こうしよう、ああしよう、環境が変わったからこう変えようなどと、方向性も迅速に決められます が、人が数十人、数百人、数千人も集まると、どうしても円滑な意思疎通ができず、組織がバラバラになりがちです。それを防ぐにはコミュニケーションの活性化が欠かせないのです。

コミュニケーションは、血液の流れと同じです。人間の体で血流が滞ると病気になってしまうのと同様に、組織でもコミュニケーションが円滑でなければどこかに問題が生じてしまいます。

問題が起きやすい場所は、本社と支社の間や企画部門と営業部門の間など、ほとんどが組織の「間」です。その「間」で起きるコミュニケーション不足やコミュニケーション不全が原因となって、両者が互いに不信感を抱き、対立したり、いがみ合ったりしてしまうのです。

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「視界」と「時間観」の違いをチューニングする

―そうした「間」でのコミュニケーション不全はなぜ起きてしまうのでしょうか。

トップと現場、本社と支社、営業と企画などは、それぞれ立場が異なるため、見ている「景色」や「視界の広さ」も当然違ってきます。加えて、それぞれの役割 によって目的の遂行期間が異なるため、「時間観」にも差が生じます。例えばトップは3年、5年といった長期レンジで物事をとらえようとしますが、現場は今 日、明日、今週といった短期レンジで仕事を回していかなければなりません。

つまり、立場や役割の違いによって視界も時間観も異なる者同士が組織を構成しているわけですから、いくらコミュニケーションを取ったつもりでいても、必然的に意識のズレやギャップが生じてしまうのです。

―意識のズレやギャップの存在を大前提として、コミュニケーション不全をなくしていくにはどうすればいいのでしょうか。

コミュニケーションは、単に絶対量の問題ではなく、いかにうまくチューニングを合わせるかが重要です。必要に応じて、全員でビジョンを再確認するなど チューニングを合わせる機会を設けるべきでしょう。例えば、様々な立場や役割の人たちが集まり、いったん今の役割や業務を離れ、自社と競合・顧客などの外 部環境といった同じ構図の中で3年後を考えてみたりするのです。

こうして定期的に全社で視界や時間観をチューニングする機会を設けることが、コミュニケーション不全の予防に役立ち、組織の結束を強めることにつながります。

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組織は「コミュニケーションによる建築物」

―組織の結束力とモチベーションにはどんな関係があるのでしょうか。

例えて言えば、組織とはいわば「コミュニケーションによる建築物」です。土台を築き、柱を立て、床を敷き、梁(はり)を架け渡す。すなわち、トップダウン やボトムアップなど経営者から現場までの「縦」、部門間の「横」、あるいは部署や役職を超えた「斜め」などのコミュニケーションチャネルを、情報メディア や会議体などを駆使して設計し、構築されたものが組織です。

そして、各部門の結節点の役割を果たすのがミドルです。ミドルは、コミュニケーションの増幅装置となり、「我が社のビジョンは○○だから、私たちの部署で はそれに沿ってこうした行動を起こしていこう」などと、ビジョンを中心としたコミュニケーションを活性化させ、メンバーのモチベーションとビジョンの方向 性を一致させる流れをつくる役割を担っています。その両者のベクトルが一致した究極の状態がいわゆる「Oneforall,Allforone」の状態であり、メンバーの力が一点に集中した最強の組織となるのです。

結局、人のモチベーションは、他者とのコミュニケーションに大きく影響されます。誰かのひと言によって目が覚めたり、自分の働きが報われたと感じたりし て、やる気をみなぎらせるわけです。つまり、そうしたコミュニケーションを活性化させることが、個々のメンバーのモチベーションを高め、そして、組織の結 束を盤石なものにしていくのです。

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