メンバーを元気にするリーダーシップ

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写真:大谷 由里子
「新喜劇」の実演でチームビルディングを学ぶ 2007年12月
大谷 由里子/有限会社志縁塾 代表取締役 NPO笑いと幸せ研究所 理事長
「人を認め、長所を引き出し、応援する」という吉本興業のマネージャー時代に実践してきた“吉本流コーチング”のノウハウを体系化し、「リーダーズカレッジ」を展開する大谷由里子氏。「笑い」を活用したリーダーシップ開発というユニークな手法を編み出した大谷氏にその神髄を聞く。

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プロフィール

1963年奈良県生まれ。京都ノートルダム女子大学卒業、吉本興業入社。創業以来3人目の女性マネージャーとして横山やすしなどを担当。宮川大助・花子などを売り出し注目される。88年結婚、退職。98年吉本興業と共同で「よしもとリーダーズカレッジ」(リーカレ)をスタート。
2003年有限会社志縁塾を設立し、「大谷由里子のリーダーズカレッジ」としてリーカレを引き継ぐ。2006年2月には「笑いで人材育成」としてNHKスペシャルでも紹介され話題となった。

主な著書

写真:主な著書

「新喜劇」の実演を通じて得られる様々な「気づき」

―「リーダーズカレッジ」のカリキュラムと、その狙いを教えてください。

1年間の前半は、受講生全員で「新喜劇」を作り上げていきます。「新喜劇」の企画に始まり、練習、そして9月には観客を前にした発表会で実際に演技をします。この発表会というゴールをめざした一種のプロジェクトを、全員が一丸となって進めていく中で、様々な「気づき」の機会があるのです。

MBAにも劇を作り上げる体験を通してチームビルディングを学ぶプログラムがあるそうです。劇というものは、全体の流れをしっかりと把握し、「今、誰と誰が何をしているのか」に常に気を配っていなければ、自分のパートもうまく演じられません。自分の役割を全体の中でとらえ、さらに各メンバーの役割も理解しておく必要性を体感するわけです。

また、自分ばかりが目立ってはならず、人を引き立たせることも求められます。「新喜劇」には出演者一人ひとりに見せ場があり、必然的に、ほかのメンバーの良さを引き出すにはどうすればいいのかを考えるようになります。

加えて、練習に熱心でない人をどうやってその気にさせるか、といった問題も解決していかなければなりません。受講生の年代は、20代から、ときには80代にまで及び、価値観の異なる人たちを互いに認め合うことも必要になります。そのような体験を通してリーダーシップが磨かれていくのです。

企業が社員研修として利用する場合は、一つの部署が全員で参加するケースも多いのですが、研修前までは表面上だけだった社内の関係が一変し、本音をぶつけ合える関係が築けます。そりゃ、社長と新入社員がコンビを組んで漫才したり、部長の頭をハリセンでシバいたりしたらコミュニケーションも変わりますよ(笑)。

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人は「面白そうなこと」についていく

―後半のカリキュラムは、何の予定も決めていないそうですね。

全く白紙です。スタートからゴールまで、すべて受講生が自分たちで決めるのです。

人は一度アウトプットを生み出すと、思考回路が活性化します。前半で「新喜劇」を演じ、思いっ切り弾けた状態の中で、何をしたいのかを自分で考え、発表する。やりたいことは人それぞれだから、みんなを説得する必要もあるし、説得されることもある。衝突を経て、団結し、最後にはみんなで達成感を味わい、感動して大泣きしたり……。毎年様々なドラマがありますが、そうした活動を通じて企画力や行動力、そして人の心をつかむ力や人を動かす力が身についていくのです。

―リーダーの育成に「笑い」はどのような効用があるのでしょうか。

育成に「笑い」を活用するといっても、ギャグを教えているわけではありません。笑いの本質は、人を楽しい気分にさせることであり、究極のサービス精神だといえます。それをリーダーシップに取り入れていくということなのです。

少年サッカーのコーチには、サッカーの技術よりも、いかに子どもたちを楽しませられるかが求められているそうです。息子のためにコーチの資格を取りに行った人が「厳しいトレーニングだけではダメなのか。オレは子どもたちを楽しませていなかったし、自主性も引き出せていなかった。自分のチームがなぜ弱いか分かった」と話していました。そして「会社での自分を振り返ったとき、『オレは何てひどい上司だったんだ』と気づかされた」と。

やはり人は、面白そう、楽しそう、いいことがありそうな方についていくものです。今後、必要とされるのは、人々を巻き込んでいくことができるタイプのリーダーです。リーダーになる人は、相手を楽しませるにはどうすればいいのか、笑顔にするにはどうすればいいのかを考えていかなければならないのです。

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「とりあえずやってみろ」と言えるかどうか

―そうしたリーダーを育てるにはどうすればいいのでしょうか。

まず、育てる側の心を元気にすることが大切です。自分が幸せでなければ、人の幸せなんて望めませんし、育てる側に心と時間の余裕がなければ、心の元気なリーダーなんて育てられません。自分に余裕があってこそ、人の面倒が見られるのです。仕事に追われていると、どうしても余裕がなくなります。だからこそ、自分の時間も、部下の時間も意識的につくってあげることが必要なのです。

また、リーダー育成には、トライ&エラーのできる環境が欠かせません。「あいつにはまだ任せられない」なんて言っていたら、部下が育つわけがありません。実際にやってみないと気づかないことって、山ほどあるのです。そうしたときに「とりあえずやってみろ」と言えるかどうか。そう言えるようになるには、自分が部下をどこまでかばえるかをしっかりと把握しておくことが重要です。

結局、人育ては自分育てです。自分が育った分だけ部下も育つのであり、上司のキャパシティ以上には部下は育たないのです。

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