認知症患者への対応

認知症を完全に治し、失われた記憶や機能を回復させる薬は今のところありません。症状の進行を少しでも遅らせたり、不安感や不眠などの症状を抑えることが目的となります。

中核症状とBPSD(行動・心理症状)

中核症状とBPSD 認知症の症状には脳の神経細胞が壊れることによって直接起こる「中核症状」と呼ばれるものと、周囲の人との関係の中で起こる「BPSD」という症状があります。
「中核症状」とは、さっき起きたことを忘れる「記憶障害」や、理論立てた思考ができない「判断力障害」、計画的に順序立てて行うことができなくなる「実行機能障害」、時間や場所がわからなくなる「見当識障害」などがこれにあたります。
一方で、「中核症状」に身体的要因・心理的要因・環境的要因などの二次的要因が加わり起こる症状が「BPSD」です。いわゆる徘徊や物取られ妄想、暴言暴力、依存、不潔行為、失禁など、介護する側が対応に苦慮する症状です。これらは本人の性格や置かれている環境、人間関係などが絡み合って起きてくるため症状の表れ方は人それぞれです。一緒に暮らす家族や周囲の方の対応や適切なケアによっては、こういったBPSDの症状を軽減することもできます。

認知症患者と上手に付き合うコツ

できるだけ穏やかにゆとりを持って接する
認知症の方と一緒に暮らしたり接していると、思うようにいかないことが多く、イライラしたり声を荒げて怒ってしまったり、感情的になってしまうことも多いかと思います。それが本人の気持ちを不安定にさせ、症状を悪化させたり新たな症状を引き起こすきっかけになってしまう場合があります。論理立てた完璧な介護よりも、穏やかにゆとりを持って接することをできるだけ第一に考えましょう。
記憶はなくてもその時の感情は残ります
自分がしたことを覚えていなかったり、できることでもペースが遅かったり間違えたりすると、つい急かしたり強い口調で正したりしてしまいがちですが、できるだけ本人の主張やペースに合わせましょう。物事の事実関係は忘れてしまいますが、怖かった、怒られた、などの負の感情だけが残ってしまい、信頼関係が損なわれてしまいます。できるだけ相手のことを否定せず、笑顔で接するように心がけましょう。
認知症対応の福祉サービスを利用する
笑顔で介護している人 介護は一人で抱え込むと大変です。なるべく多くの人が協力して対応していくことが大切です。患者本人のみならず、介護する側の心のケアも必要になります。お金もかかります。医師やケアマネージャーなどと、どのようなサービスが受けられるのか相談し活用しましょう。家族だけでなく、友人や地域の方々にも話しておけば見守りなどの協力を得られる場合がありますし、話を聞いてもらえるだけでも心が楽になります。

認知症の診断

もしかして認知症かも?と疑いを持った場合、本人に受診を勧める場合には注意が必要です。認知症であるという可能性を認めたくない、自分はおかしくないと思っているため、受診を嫌がり家族に対する不信感を募らせてしまう場合があるからです。しかし、本人も薄々は自分が以前と違う、何かおかしいと気づいています。 早く診断を受け治療を開始すれば、少しでも進行を緩やかにできる場合があること、治る物忘れもあること、そして家族が本当に心配していることを本人に納得してもらえれば、例え認知症だと診断されたとしても、その後の治療やリハビリにも積極的になってもらえると思います。 まずは、かかりつけ医の先生やお近くの地域包括支援センターに相談してみてください。主任ケアマネージャーや、社会福祉士、保健師などが困りごとの相談に応じてくれます。

認知症の検査

以上を組み合わせて診断します。
NTT西日本大阪病院では、脳波検査・頭部MRI検査・脳血流SPECT・頭部CTなどの設備を揃え、心理面でのケアにも経験豊富なスタッフを配置しています。地域の先生方のご紹介で、診断及び検査だけの受診もできますので、ぜひご利用ください。
神経精神心療内科
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