認知症の種類と症状

脳を検査している医師
認知症とは、認知機能の障害によって社会生活が困難になる病気の総称です。三大認知症といわれるのが「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」。その他にも「「前頭側頭型認知症」「正常圧水頭症(NPH)」などがあります。

三大認知症

認知症の種類を示す円グラフ
アルツハイマー型認知症
全体の約50%を占めます。異常タンパク質が脳の神経細胞に蓄積し破壊、脳が萎縮していく病気です。記憶障害が徐々に進行し、判断力も低下します。場所や時間、人物などの認識ができなくなる見当識障害の症状も現れます。
例えば、料理の際に使う食材や調味料の判断がつかず、手順もわからなくなります。鍋を焦がしたり火事につながる危険も出てきます。何がゴミかわからない、片付け方もわからなくなるため、部屋が散らかりゴミだらけになることも。
自分がいる場所がわからなくなり、よく行く場所で迷子になったり、家の中でトイレの位置がわからず失禁してしまう場合もあります。 他にも大事なものが無くなった、盗まれたと家族を責めたり、昼夜問わず徘徊したり、家族や自分の顔すら認識できなくなったりします。
レビー小体型認知症
全体の約20%を占めます。脳の神経細胞の中にレビー小体と呼ばれる異常タンパク質が生じることで発症します。初期の段階では物忘れよりも幻視が見られる場合が多く「虫やネズミが部屋にいる」「知らない人が部屋に座っている」と訴えたり、そのものに対してしゃべりかけたりすることもあります。眠っている間に奇声をあげたり、暴れたりすることもあります。
またパーキンソン病と間違われるような、手が震える、動作が遅くなる、筋肉がこわばる、前かがみでちょこちょこ歩く、無表情になるなどの症状も現れます。 時間帯や日によって、時間や場所、判断力や理解力に差があるのも特徴です。
脳血管性認知症
全体の約15%を占めます。脳梗塞や脳出血など、脳の血管に障害が起こり脳の機能が低下し発症します。アルツハイマー型が徐々に進行していくのに対して、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら進行します。最近ではアルツハイマー型と併発している混合型も多いことがわかってきています。
部分的な脳の機能障害のため、物忘れや計算ができなくても判断力はあるなど、まだら認知と言われる状態が起こります。脳の血流の関係で、できる時とできない時があることも特徴のひとつです。感情がコントロールできないことが多く、すぐに泣いたり怒ったりします。
脳梗塞などが再発すると、急に症状が悪化する場合があるので再発しないよう注意が必要です。

その他の認知症

前頭側頭型認知症
原因ははっきりとはわかっていないのですが、脳の前頭葉と側頭葉の神経細胞が少しずつ壊れていくことにより発症します。記憶障害よりも行動障害が目立ち、同じ言葉を脈絡なく何度も繰り返したり、手をたたく、決まった時間に歩き出すなど同じ行動を取ろうとし、止めさせようとすると怒ったり暴力を振るうこともあります。
ルールを無視した自分の思うままの行動をするので、万引きをしたり、赤信号を無視したりなど反社会的な行動を行う場合があります。
また、同じものを食べたがったり、甘いものや濃い味を好み、食欲が異常に旺盛なることもあります。
正常圧水頭症(NPH)
うつ状態で元気のないおじいさん 脳脊髄液が頭の中に異常にたまり、脳を圧迫、障害を起こす病気です。特徴的な3つの症状は、歩行障害、精神活動の低下、排尿障害です。他の認知症と違い、早期発見により治療が可能です。
ガニ股で歩幅が狭くチャップリンのような特徴的な歩き方が見られ、転びやすくなります。この特徴的な歩き方から早期発見が可能だといわれています。意欲が低下し表情が虚ろになり、うつ状態のように見える場合もあります。症状が進行すると尿失禁が見られることがあります。