NTT西日本大阪病院
研修医について

選択科目の概要

皮膚科

1.基本理念と特徴
皮膚は視診により多くの情報がえられる最大臓器である。臨床研修において皮疹より得られる情報・意味を理解し、基本的な皮疹の見方を習得する。これは将来他科に進む場合でも有用となる基本技術で目を養うことが重要である。研修は具体的には、古典的皮膚科学、皮膚腫瘍、膠原病をはじめとする自己免疫疾患、末梢循環障害、皮膚感染症、皮膚科的手術など広範囲の皮膚疾患を経験し診断と治療法を学ぶ。また近年の美容志向からいわゆる美容皮膚科学のニーズが増加しており理解とともに新しい治療・処置法も習得する。なお当科での研修期間は日本皮膚科学会専門医制度の一部に相当する。
2.研修内容
  • 外来診療において多くの症例を経験し、診断・検査・治療の技術を習得する。
  • 病棟入院患者をうけもち、皮膚科的処置、基本的外科手技、難病、悪性腫瘍患者などの検査・治療をおこない、あわせて患者とのコミュニケーションの仕方を学ぶ。
  • ルビーレーザー、炭酸ガスレーザー、紫外線療法、超音波エコー、サーモグラフィなど診断治療機器による基礎知識と技術を習得する。
  • 院内・院外研究会・学会参加・論文投稿などにより知識習得と理解を深める。
3.経験目標

(1)診察法、検査法、手技

  • 病歴聴取
  • 皮膚病変の皮膚科的記載・記録(写真撮影および保存)方法
  • 皮膚科的検査
a 感染症(KOH検査、ギムザ染色など皮膚科的特殊検査)
b アレルギー検査(貼布試験・皮内テスト・プリックテスト・スクラッチテスト・最小紅斑量測定・光貼布試験・内服誘発試験・蕁麻疹誘発試験など)
c 病理組織検査(皮膚・口唇・筋生検、腫瘍切除など)
d 循環障害検査(サーモグラフィ・末梢ドップラー聴診・末梢超音波ドップラー検査・MRI・血管造影など)
e MRI検査(皮膚腫瘍・循環障害・炎症性疾患など)

(2)症状・病態・疾患

  • 湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎・アトピー性皮膚炎・その他)
  • 蕁麻疹・薬疹・中毒疹・紫斑症など
  • 皮膚感染症(細菌・真菌・ウィルスその他)
  • 末梢循環障害(慢性動脈閉塞症、血管炎その他)
  • 静脈性疾患(静脈瘤・下腿潰瘍など)
  • 膠原病などのリウマチ性および自己免疫性疾患
  • 皮膚腫瘍(良性・悪性)・母斑
  • 整容的皮膚異常(色素斑・腋臭症その他)
  • 水疱症・膿疱症
  • 角化異常症
  • 内臓疾患、内分泌異常などに関連した皮膚疾患
  • その他
4.現場の経験
  • 皮膚科に特徴的な外用療法(ステロイド・免疫抑制剤・ビタミンD・ODTなど)と内服療法(ステロイド・免疫抑制剤・ビタミンA誘導体など)の基本を習得する。
  • 皮膚潰瘍、壊死、膿瘍、嚢腫などに必要な皮膚科処置を多数経験する。
  • 電気焼却術(尋常性疣贅、尖形コンジローマなどの治療)や凍結療法(脂漏性角化症、尋常性疣贅、円形脱毛症などの治療)を行う。
  • 光線療法(UVA・UVB・近赤外線)の基本を学び、検査・治療法を習得する。
  • 皮膚美容的処置治療として外用療法、ケミカルピーリングやレーザー治療(Qスイッチルビーレーザー・炭酸ガスレーザー)などを理解し経験する。
  • 下肢静脈瘤の検査法、治療法(静脈瘤硬化療法・静脈瘤高位結紮術など)を理解し行う。
  • 慢性動脈閉塞症や血管炎などの末梢循環障害の検査・診断法(末梢超音波ドップラー検査・サーモグラフィ・血管造影など)や治療法を習得する。
  • 基本的皮膚外科手術(腫瘍切除・植皮術・皮弁形成など)を経験し習得する。
  • 皮膚病理組織の知識を深め、診断・病態の把握・理解をする。
  • 皮膚悪性腫瘍患者において外科的治療、化学療法や放射線療法の行い方、末期患者の治療・ケアの仕方につき経験し行う。
  • 天疱瘡や膠原病などの自己免疫疾患におけるステロイド、免疫抑制剤などの治療や血漿交換療法など経験し理解する。
  • 皮膚疾患や皮膚症状を診て、皮膚の内部ひいては全身の病態の把握、全身疾患の有無関連性を考える習慣をつけ理解する。
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