NTT西日本大阪病院
研修医について

基本研修科目の概要

内科

1.基本理念と特徴
1年目の必修内科研修においては、6専門診療科から3ヶ月で1ないし2専門診療科で6ヶ月間の研修を行う。いずれの「診療グループ」を選択しても、内科診療に必要な基本的な診察法・検査法・治療法・診療情報記録法について研修できる。選択研修においては志望の専門科を中心として研修を行い、内科専門医へのステップとすることが可能である。
2.研修内容
1年目の必修内科研修においては、6専門診療科から3ヶ月で1ないし2専門診療科で6ヶ月間の研修を行う。いずれの「診療グループ」を選択しても、内科診療に必要な基本的な診察法・検査・治療法・診療情報記録法について研修できる。選択研修においては志望の専門科を中心として研修を行い、内科専門医へのステップとすることが可能である。
3.各診療グループの研修内容と特徴
各診療グループにおける研修内容および特徴を以下に要約する。
循環器内科

循環器疾患全般にわたる基本的な臨床知識を得ること。
1.基本的診察法基本的診察法基本的診察法
循環器に関係する身体所見を正確に把握し、整理記載する。
2.基本的検査法および処置
病歴および身体所見から得た情報をもとに、必要な検査を選択・指示・施行しその結果を評価するとともに、正確な診断を下す。

  • a 達成目標は独立して施行または判定できる
  • b 指導者のもとで施行または判定できるとする

検査法
標準12誘導心電図、運動負荷心電図(マスター、トレッドミル) a
胸部X線単純写真 a
ホルター心電図、24時間血圧計 a
心臓超音波検査(経胸壁) a
心臓超音波検査(経食道) b
心臓核医学検査(安静・負荷心筋シンチグラフィ) b
MRI ( MR angiographyを含む ) b
心臓カテーテル検査(冠動脈、左室造影、スワン・ガンツカテーテル検査を含む) b
心筋生検 b
処 置
中心静脈穿刺(大腿、鎖骨下、内頚静脈) a
動脈穿刺(血液ガス分析を含む) a
心膜穿刺 b
心肺蘇生術(気管内挿管)および人工呼吸器の装着、設定 a
電気的除細動 a
一時的心臓ペーシング、永久心臓ペースメーカー植え込み b
3.基本的治療法:以下の疾患群の病態を正しく理解し、診断と適切な治療を実施するとともに、高度専門施設への搬送を判断できる。

心不全
狭心症、心筋梗塞
心筋症、心筋炎、心膜炎
不整脈(頻脈性、徐脈性、心室内伝導障害、その他)
弁膜症(リュウマチ性、非リュウマチ性)
先天性心疾患
感染性心内膜炎
動脈疾患(大動脈瘤、動脈解離、大動脈炎症候群)
静脈、リンパ管疾患(深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫)
10 高血圧(本態性、二次性)
消化器内科

内科として頻度の多い消化器疾患に関する、基本的な診察、検査、治療を習得することを目的とする。慢性疾患の管理のみならず、消化器系検査および消化管出血や肝不全などの救急処置についても習得する。
1.基本的診断技術
  • 1)消化器疾患の問診および理学的診察の仕方と記載法
  • 2)消化器疾患の血液・検尿・検便検査の依頼と判読
2.消化器診断技術
  • 消化管疾患の診断と病態把握
  • 肝臓疾患の診断と病態把握
  • 胆管系疾患の診断と病態把握
  • 膵炎の診断と病態把握
  • 消化管出血の診断
  • 急性腹症の診断
3.画像診断
  • 胸部・腹部単純像
  • 上下部消化管造影検査
  • 胆嚢胆道造影検査
  • CT・MRI検査
  • 腹部造影検査
  • シンチグラフィー
  • PTC(D)
4.消化器検査法
  • 内視鏡検査実施と診断
    ・上部消化管内視鏡検査(超音波内視鏡も含む)
    ・下部消化管内視鏡検査(超音波内視鏡も含む)
    ・ERCP検査(IDUSも含む)
  • 腹部超音波検査実施と診断
  • 腹腔鏡検査(肝生検を含む)実施と診断
  • 採液検査実施と判読
    ・胃十二指腸液
    ・腹水
5.消化器疾患の治療
  • 消化器疾患の薬物治療
  • 消化器疾患の食事療法、食事指導と生活指導
  • 肝硬変患者の腹水、肝性脳症の治療と管理
  • 消化管出血の初期対応
  • 急性腹症の初期対応
  • 超音波下治療
  • 内視鏡下治療
  • RCP下治療
  • PTCD
内分泌・代謝内科

内分泌・代謝内科では患者数が多く日常よく遭遇する生活習慣病(糖尿病、高脂血症、痛風、動脈硬化症、高血圧症)を診察する機会が多い。これらの疾患の治療には食事、運動などの生活習慣の改善が治療の根幹をなすといっても過言ではない。これらの指導は医師のみでは不可能であり、チーム医療の実践が必要である。その中で指導的立場にある医師の役割は大きく、患者、コメディカルに信頼される医師としての人格が十分であることが必要である。
 頻度の多い内分泌疾患として甲状腺、電解質異常などがある。これらは他疾患にも合併することが多く、将来どの診療科に進もうと適切な管理ができることが望まれる。頻度は多くないが見落としてはならない内分泌疾患として下垂体、副腎をはじめとするホルモン異常に基づく疾患がある。これらの疾患は他診療科で診断がつかなかったり、見逃されている場合が多く、診察にあたってはまずその疾患の基本概念を分子レベルより理解しておく必要がある。疾患の原因を教科書で理解し実際の患者の診療を行い、そこから得られた知見を教科書に戻って再確認するといった地道な繰り返しが重要である。内分泌・代謝内科では患者を正しく診察することを通じて医師としての人格を形成することを主眼において指導する。
1.基本的診察法

内分泌代謝疾患に関係する身体所見を正確に把握し整理記載することができる。

  • 病歴
  • 全身症候および全体所見
  • 精神、皮膚、頭頚部顔面、胸腹部、会陰部、四肢、筋肉、神経所見
2.基本的検査法
  • 血液、尿検査(ホルモン、電解質、その他の生化学検査)の正しい評価ができること。
  • 内分泌負荷試験の適応を決定し実践、評価ができること。
  • 画像検査(単純X線、MRI、CT、US・ドプラー検査、核医学検査、骨塩量など)の適応決定と評価ができる。
  • 分子生物学的検査についての原理と適応を理解する。
3.基本的治療法
  • 生活習慣指導(食事療法、運動療法、禁煙指導等)を行なうことができる。
  • 適切な薬物療法を選択できる。
  • ホルモン補充療法の適応決定、適切な処方、指導管理ができる。
  • 他診療科と共観で内分泌代謝疾患の管理を行なうことができる。
  • 内分泌腫瘍における外科手術適応を決定できる。
4.疾 患
  • 糖尿病
  • 甲状腺疾患
  • 視床下部、下垂体、副腎、性腺疾患
  • カルシウム代謝疾患、骨粗鬆症
  • 高脂血症、肥満症
  • 高尿酸血症、痛風
  • 動脈硬化症(ASO、無症候性脳梗塞、無症候性頚動脈狭窄症)
腎臓内科

腎疾患の診療を通して、内科医として必要な知識・基本的技術を身につけ、さらに腎疾患診療に必要な実践的な診断・治療法を習得することを目的とする。腎臓内科では原発性糸球体疾患、尿細管間質性腎疾患、急性・慢性腎不全のみならず、糖尿病性腎症やル-プス腎炎など全身性疾患に伴う続発性腎疾患、水・電解質、酸塩基平衡異常、高血圧症などの疾患を診察し、各病態を十分に理解し的確な診断ならびに治療を行うことを研修する。
1.基本的検査

腎疾患の診療に必要な検査を実施し、その結果を評価する。

  • 尿検査(検尿・沈渣)
  • 腎機能検査(糸球体濾過率等)
  • 腎尿路の画像診断
    (KUB, IVP, DIP, CT, MRI, 腎血管ドプラ、レノグラム、腎シンチ、腎血管撮影等)
  • 腎生検の手技および組織学的診断
2.基本的治療

以下の基本的療法に習熟し、適応を判断して独自に施行できる。

  • ステロイド療法、免疫抑制療法
  • 抗凝固、抗血小板療法
  • 利尿薬による体液量の調節、降圧薬による治療
  • 水・電解質、酸塩基平衡異常に対する輸液療法
  • 腎不全時の輸液療法
  • 腎性貧血に対するエリスロポエチン療法
  • 食事療法(低タンパク療法、塩分・カリウム・リンの制限)
  • 血液浄化法(血液透析、血液濾過、血漿交換等)
3.疾 患

以下の疾患を臨床的にあるいは組織学的に鑑別診断することができ、病態を十分に理解した上で、適切な治療法を選択、施行できる。

  • 原発性糸球体疾患
    急性糸球体腎炎、IgA腎症、微小変化群、巣状糸球体硬化症、膜性増殖性糸球体腎炎、膜性腎症
  • 続発性腎疾患
    糖尿病性腎症、ループス腎炎、アミロイドーシス、ANCA関連腎炎、紫斑病性腎炎、痛風腎、高血圧による腎障害
  • その他の腎疾患
    尿細管間質性腎炎、薬剤性腎障害、遺伝性腎疾患、嚢胞性腎疾患
  • 急性腎不全・慢性腎不全
  • 酸塩基平衡・電解質異常
アレルギー・膠原病内科

アレルギー膠原病内科は内科アレルギー疾患としての気管支喘息といわゆる“リウマチ学”に入るリウマチ、膠原病を取り扱う。この両疾患に共通する概念は臨床免疫学である。しかも内科疾患としての重要な部分を占める発熱疾患、関節痛疾患はとりあえず当科で検討することとなるので、単にリウマチ、膠原病を勉強して事足りるのではなく、広範な内科疾患の重要な導入部門と考えられる。当科で研修することにより以下のような知識、技術が身につくことを目標とする。
1.本的診察法、症状_病態の把握と治療法の習得

(1)関節リウマチの診断と治療

  • 全身の関節所見を短時間で診る能力を養う
  • 骨レントゲンの読影
  • NSAIDs、DNARDs の使用法
  • 少量のステロイド剤、免疫抑制剤の使い方に習熟する

(2)全身性エリテマトーデスの診断と治療

  • 自己抗体の知識を深める
  • 皮膚所見の記載
  • 腎生検の適応の判断
  • 大量ステロイド、エンドキサンパルス療法に習熟する

(3)多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症

  • 筋力の客観的評価
  • 皮膚所見の記載
  • 間質性肺炎のレ線所見と肺CTの読影
  • 気管支肺胞洗浄、肺生検や呼吸管理は呼吸器グループの協力のもとに行なう

(4)血管炎および不明熱

  • 感染症、悪性腫瘍との鑑別
  • 自己抗体を含む特徴的検査所見の習得
  • 難病、特定疾患、希少疾患の理解

(5)気管支喘息の診断と治療

  • 喘息発作に対する対処を習熟する
  • ピークフローメーター測定の指導
  • 吸入療法の習得
  • 気管支喘息患者の長期管理
血液内科

血液疾患の診療を通して内科医としての基本的な知識・技術を習得することを目的としている。症例は白血病・悪性リンパ腫などの造血器悪性疾患が多く、化学療法の計画と実践を中心に研修する。特にこの分野は近年発展が著しく、診断においては、分子細胞生物学的手法の応用が浸透し、治療においては、分子標的療法や造血幹細胞移植といった新しい方法が一般化しつつある。これらの進歩を臨床に応用していくための基礎を学ぶ必要がある。一方で、悪性腫瘍患者に対する説明、末期患者・家族への対応についても学ぶ機会が多いものと考える。

(1)基本的診察・検査

  • リンパ節触診、肝脾腫触診、出血傾向診察
  • 末梢血・骨髄標本の検鏡
  • 骨髄穿刺と骨髄生検
  • 画像診断(CT、MRI、超音波、核医学等)
  • 骨髄・リンパ節の病理組織診断
  • 凝固止血系検査の理解と病態の把握
  • 免疫学的検査
  • 輸血関連(交差適合試験など)
  • 細胞表面マーカー検査
  • 細胞遺伝学的検査(染色体検査など)
  • 分子生物学的検査(遺伝子検査)

(2)基本的治療法

  • 輸血療法、血液製剤の使用法
  • 感染症予防方法の習得
  • 抗生剤の適切な使用
  • 造血因子の使用
  • 抗癌剤の使用
  • 抗凝固薬の使用
  • ステロイド剤の使用

(3)経験すべき疾患・病態

  • 白血病
  • 悪性リンパ腫
  • 骨髄異形成症候群
  • 多発性骨髄腫
  • 貧血
  • 好中球減少症
  • 血小板減少症
  • 出血傾向
  • 不明熱
  • 重症感染症
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