NTT西日本大阪病院
診療のご案内
アレルギー・リウマチ・膠原病内科タイトル
アレルギー・リウマチ・膠原病内科は、免疫の異常によって全身にいろいろな症状をきたす病気を中心に診療を行っている内科です。主な対象疾患は関節リウマチ、膠原病、気管支喘息などですが、不明熱や抗核抗体やリウマチ因子の鑑別診断、誤嚥性肺炎などの一般的感染症なども含めて幅広く対応しております。
不明熱とは、原因のわからない発熱が持続することです。原因を調べると膠原病であることが多くあります。また抗核抗体やリウマチ因子のような免疫異常は膠原病で良く見られます。このように、膠原病が心配な場合は一度ご相談下さい。治療の必要な明らかな膠原病でなければ安心することができます。私たちはこのような問題を抱えてこられる患者様より膠原病を見つけ出して、適切な治療を行っています。ただし、膠原病が疑わしい場合でも必ずしも治療介入が必要とは限りませんので、治療介入の必要性や定期検査の必要性などを判断いたします。また鑑別診断の過程で膠原病以外の原因が見つかれば、適切な専門診療科へ紹介いたします。
関節リウマチは、治療が大きく進歩しています。しかし強力な治療は高い効果を示す一方で、副作用の心配も少なくありません。最新の治療が自分に必要か、また可能かなどもご相談ください。患者様の意向を尊重しつつ、共同作業で治療を進めて参ります。
入院患者の内訳
入院患者の内訳
SLE:全身性エリテマトーデス、RA:関節リウマチ、MCTD:混合性結合組織病、overlap:重複症候群、 PM:多発筋炎、DM:皮膚筋炎、PMR:リウマチ性多発筋痛症

外来患者(2016年1〜3月カルテベース)
(単位:人)
関節炎 関節リウマチ 739
バイオ/JAK使用リウマチ 172
強直性脊椎炎 6
乾癬性関節炎 10
その他脊椎関節症 10
膠原病 SLE(含APS) 231
強皮症 102
多発筋炎・皮膚筋炎 102
シェーグレン 90
ベーチェット病 24
MCTD 40
成人スティル病 30
PMR / RS3PE 129
UCTD 8
血管炎症候群 高安/側頭動脈炎 21
PN 9
MPA 38
GPA 13
EGPA 7
ANCA関連血管炎 8
その他 サルコイドーシス 10
繊維筋痛症 9

病気の原因である免疫や膠原病、そして治療などについてお知りになりたい方は
下記をご覧ください。

免疫とは

膠原病とは

膠原病の診断

膠原病の分類

膠原病に対する治療

生物製剤治療について

気管支喘息治療について

免疫とは
免疫はもともと、人間の体を守るために備わっている機能です。免疫は、人間の体の中から人間にとってじゃまになるものを選り分けてそれだけを取り除くことにより、体の中の平和(健康)を守っている、いわば警察官のようなものです。ですから人間の体に侵入した細菌やウイルスは免疫によって除去されます。免疫が何かを排除しようとして働くときには、熱が出たり、痛みが出たリ、また赤く腫れたりすることがありますが、これを「炎症」と言います。炎症は免疫が頑張って働いている証拠でもありますが、排除すべき相手が強力ですとなかなかこれを排除することができずに、強い症状が長く続いて体力がもたず寝込んでしまうことになります。ですから、カゼの時に使う解熱剤や鎮痛剤は体力消耗を避けるために使うもので、病気を治すために使っているわけではありません。

膠原病とは
膠原病では、免疫が人間にとって必要なものを間違って攻撃してしまうために起こる病気とされています。このような起こり方をする病気を自己免疫疾患といいます。間違って攻撃する相手が限局されている場合は臓器特異的な自己免疫疾患といいます。特定の臓器だけでなく、体中のあちこちを免疫が攻撃していろいろな症状を引き起こす場合を膠原病と言います。攻撃する相手が自分ですから、免疫がいくら攻撃しても排除することはできません。そのため症状がいつまでも続くことになります。何らかのきっかけで自分自身を攻撃するようになったものと考えられていますが、その原因は不明ですので完治させることは困難です。
膠原病の診断
膠原病で最も良く見られる症状は、発熱や関節などの全身あちこちの疼痛、そして皮膚症状です。これに加えていろいろな臓器の障害がおこります。あまりにいろいろな症状が起こるので症状だけでは膠原病かどうかはなかなかわかりません。そこで、免疫の異常がありそうかどうかを調べる検査を行います。抗核抗体やリウマチ因子という検査がそれにあたります。しかし、この検査は病気がない健康な人でもしばしば異常値になります。ですから症状や検査異常などから総合的に病気かどうかを診断基準や分類基準という基準を参考に診断します。間違った診断で不必要な治療をしないためにも診断には専門家の判断が必要です。当科ではリウマチ専門医による膠原病の適切な診断が可能です。

膠原病の分類
膠原病ではいろいろな症状や検査異常が複雑に出ます。ですから、一人一人違う病気と言ってもいいくらいです。しかしそれでは不便ですので似たような症状の人を集めて分類することになりました。そのため「分類基準」という人為的な基準で病気を診断します。人為的なものですから、時代によって基準がかわります。さらに病名も変わったり、新しい病気が分類されたりすることもあります。もっとも多い膠原病は関節リウマチです。詳細な情報は「難病情報センター」のHPを参照してください。この中には医療費助成の対象となる指定難病が多く含まれています。当科には難病指定医が在籍しておりますので、保健所へ提出する難病の申請に必要な臨床個人調査票を作成することができます。
当院で診療可能な主な膠原病は次の通りです。
  病名 特記
関節炎 関節リウマチ JAK阻害薬を含むすべての生物製剤、外来化学療法室完備、関節注射、滑膜切除術や人工関節など関節手術
悪性関節リウマチ 指定難病46
フェルティー症候群  
成人スチル病 指定難病54
血清反応陰性
性関節症
強直性脊椎炎 指定難病271
すべての生物製剤治療
乾癬性関節炎 すべての生物製剤治療
ライター症候群(反応性関節炎)  
SAPHO症候群  
炎症性腸疾患に伴う関節症  
古典的膠原病
関連
原発性抗リン脂質抗体症候群 指定難病48
全身性エリテマトーデス
(SLE)
指定難病49
多発性筋炎/皮膚筋炎 指定難病50
全身性強皮症 指定難病51
CREST症候群  
混合性結合組織病
(MCTD)
指定難病52
シェーグレン症候群 指定難病53
オーバーラップ症候群  
血管炎症候群 高安動脈炎
(大動脈炎症候群)
指定難病40
巨細胞性動脈炎
(側頭動脈炎)
指定難病41
結節性多発動脈炎 指定難病42
顕微鏡的多発血管炎;MPA 指定難病43
多発血管炎性肉芽腫症
(ウェゲナー肉芽腫症);GPA
指定難病44
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
(アレルギー性肉芽腫性血管炎、チャーグ・ストラウス症候群);EGPA
指定難病45
その他 再発性多発軟骨炎 指定難病55
ベーチェット病 指定難病56
すべての生物製剤治療
リウマチ性多発筋痛症;PMR  
ウェーバー・クリスチャン病  
IgGA4関連疾患 指定難病300

膠原病に対する治療
膠原病は免疫の異常により起こる病気ですので治療は免疫を抑制する治療が主体となります。しかし、残念ながら病気を起こす悪い免疫だけを抑制する治療はありません。体を守る良い免疫、必要な免疫も同時に抑制してしまいます。そのため、膠原病の治療には副作用が避けられません。ですから治療においては、病気そのものを抑制すると同時に薬剤の副作用を問題ないレベルに抑え込むことが必要となります。膠原病の治療では、免疫治療薬に加えて、副作用の予防薬や治療薬を併用するのはそのためです。普段の診察や検査では常に病気の勢いだけでなく副作用もチェックします。長期の治療が必要ですのでわずかな副作用でも長期にわたって蓄積すると無視できない影響を身体に与えます。
もっとも良く使われる薬剤はステロイドです。この薬剤は非常によく効く薬で、膠原病治療の中心です。開発以来、数十年たちますが、いまだにこれを超える薬剤はありません。しかしながら非常に副作用の多い薬剤であることも事実です。投与量が多くなり、長期に使用すればするほどその影響は無視できなくなります。
ステロイドの副作用で十分に使えない場合、ステロイド治療の効果が不十分な場合、ステロイドの効果はあるが減量できなくなったりしたときなどに免疫抑制剤を使用します。良く使われる免疫抑制薬にはエンドキサンR、イムランR、ネオーラルR、プログラフR、メトトレキサートがあります。最近セルセプトR、プラケニルRなども使えるようになりました。そのほかにもリウマチに使用する生物製剤や免疫グロブリン大量療法、血漿交換療法、などを併用することがあります。
当院では副作用の出現に注意しながらこれらの治療薬を最大限の効果を発揮させるように努めています。また万が一、副作用が発生しても速やかに対応できる体制をとっていますので、安心して治療ができます。
関節リウマチに対する治療
関節リウマチの治療は関節の痛みや腫れをとるだけでなく、関節の骨や軟骨を壊さないようにすることが必要です。いくら痛みが取れても、関節が壊れていってしまうと関節は変形して動かしにくくなり、日常生活の支障が出ます。ですから、痛みをとるだけでなく、リウマチの炎症やそれを引き起こす免疫活性化を止める必要があります。
そこで抗リウマチ薬(DMARDs)という薬をまず使います。週に一回内服するメトトレキセート(MTX)という薬がその代表的なものです。関節炎を抑制して痛みや腫れを出なくするわけですが、この薬はすぐに効果が出るわけではありません。そこで、即効性に痛みをとる鎮痛剤(NSAIDs)という薬を併用することになります。この系統の薬剤は痛みをとりますが、リウマチそのものは改善しないので、関節の破壊は止めることができません。ステロイドも使用されることがありますが、長期的には関節の骨を弱くするので良くないとされ、できるだけ短期少量で使うことが望ましですが、やむをえず使い続けることも多いようです。関節が壊れてしまうと薬物治療では回復できなくなりますので外科的治療が必要となります。
これらの治療が上手くいかなかった時に生物製剤の治療を考えます。この治療は非常に強力ですが、内服薬ではなく、注射薬になります。また薬剤費が高いことも問題です。しかし、その効果は圧倒的で現在のリウマチ診療はこの薬をいかに上手に使うかということを中心に考えられていると言っても過言ではありません。

生物製剤治療について
最近、関節リウマチの病気のメカニズムが解明されてきたため、効率的な治療が開発されてきました。生物学的製剤(バイオ製剤)と呼ばれる薬です。この薬剤は病気を引き起こすカギとなる標的にピンポイントで効くため分子標的薬と呼ばれています。標的を外さない薬なのでよく効くだけでなく副作用の種類を大幅に減らすことができるようになりました。基本的に注射薬であり、皮下注射と点滴があります。治療標的はTNF、IL-6、CTLA4という免疫や炎症の信号を伝える分子です。これらを抑制して免疫や炎症の信号を伝わらなくすることによって病気を改善させます。最近は細胞内の信号伝達を抑制するJAK阻害薬という専門施設のみでの治療ができる内服薬も登場しました。いずれも画期的新薬と言って良い圧倒的な効果を誇ります。
生物製剤の種類と投与方法
基本的な
投与間隔
投与方法 TNF阻害薬 非TNF阻害薬 施行
8週間隔 点滴注射 レミケード   病院
4週間隔   アクテムラ
オレンシア
皮下注射 シンポニー
2週間隔 ヒュミラ
シムジア
アクテムラ 自己
1週間隔 エンブレル オレンシア
毎日 経口 ゼルヤンツ
しかし、逆に標的に関連した副作用は増加し、重症化します。特に肺炎などの感染症のリスクは高くなりました。特に注意しないといけないのはこの薬剤を使っている間は感染症の症状が隠されてしまうことがあるので重症になるまで気づかないことがあるということです。気が付いた時には命に係わるほどの重症になっていたということもあります。もともと感染症を起こしやすい人や感染の予防が困難である人、感染症が起こった時に重症化しやすい身体機能の予備能力の低い人は副作用により注意することが必要です。
生物製剤使用時の注意点 対策
潜んでいた感染症が悪化する 結核 予防薬併用
非結核性好酸菌 生物製剤開始前に治療
B型肝炎 生物製剤開始前に治療
歯周病、副鼻腔炎 生物製剤開始前にできるだけ治療
慢性肺疾患 生物製剤開始前にできるだけ治療
白癬菌など皮膚感染 生物製剤開始前にできるだけ治療
新たな感染症に
かかりやすい
感冒、肺炎 早期発見、早期治療
感染予防;肺炎球菌ワクチン
インフルエンザワクチン
皮膚感染 早期発見、早期治療
皮膚の清潔維持、足趾変形の対応、
胼胝(たこ、べんち)や褥瘡の適切な処置
帯状疱疹 早期発見、早期治療
その他 悪性腫瘍 治癒後開始が望ましい
重症心不全 禁忌
神経変性疾患 禁忌
もともと感染症を起こしやすい人や感染の予防が困難である人、感染症が起こった時に重症化しやすい身体機能の予備能力の低い人は副作用により注意することが必要です。
副作用に注意すべき人
感染を起こしやすい ステロイドや免疫抑制剤併用
高齢者、低栄養
糖尿病合併
もともと白血球やリンパ球が少ない
もともと肺疾患がある
感染予防ができない 身体機能の低下、ADL低下、寝たきり
認知症
感染時の予備能力が低い 低肺機能
臓器の予備力低下;心臓、腎臓、肝臓
アミロイドーシス
高齢者、低体重、低栄養
ほとんどの場合は治療が問題なく行われ、トラブルが発生することは少ないのですが、もし起こった場合適切に対応できないと生命に関わる事態もあり得ます。ですから生物製剤の治療をより安全に行うには十分な使用経験、トラブル対応が即座にできる体制が必要になります。
当院ではすべての薬剤を使用できるだけでなく、どのような治療中のトラブルにも即座に対応できる体制を持っていますので安心して生物製剤治療を受けることができます。

気管支喘息の治療について
気管支喘息はアレルギー反応をきっかけに肺の中の空気が通る道である気道が炎症を起こして過敏になり、刺激に対して過剰に収縮して息がしにくく(喘息発作)なります。治療薬としては、アレルギーを抑制する薬、気道の炎症を抑制する薬、そして気管支を広げる薬があります。昔はテオフィリンという飲み薬が主に使われていましたが、現在では口にくわえて薬を吸い込む吸入薬が中心となました。特に気道の炎症を抑制するステロイド(ICS)と気管支を広げる長時間作用型気管支拡張薬(LABA)という薬剤が両方配合された吸入薬を定期的に吸入することにより、昔に比べて喘息発作が起こりにくくなりました。このような薬剤を長期管理薬(コントローラー)といいます。それでも発作が起きる場合は単時間作用型の気管支は拡張薬を発作治療薬(リリーバー)として吸入して対応します。最近はコントローラーとリリーバーを同じ吸入器(デバイス)でできるSMART療法というのもあります。
発作が収まらない場合は病院でステロイドや気管支拡張薬を点滴することが必要になります。気管支の炎症が治まりにくい場合には内服の抗アレルギー薬を併用する場合がありますが補助的です。
喘息は気管支の粘膜が過敏になった状態に刺激を受けて起こりますので、肺に刺激を加えないことが発作の予防に大事です。特別なアレルゲンでなくてもタバコやハウスダストやほこりなどの刺激物の吸入や気温の変化、カゼなどの気道の感染症などで発作が誘発されます。またストレスも良くありません。当院では喘息発作に対して入院も含めて対応可能です。
診察スケジュール・担当医
月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後 午前 午後
緒方
比嘉
前田
河本
栗谷
中原
前田
真鍋
緒方
Wibowo
緒方
比嘉
川田
比嘉
河本
吉峰
Wibowo
石田
栗谷
吉峰
中原
石田
真鍋
担当責任者:緒方副院長
審査 16-1133-1