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沖縄支店

特賞(作文の部)

3学年の部 古堅南小学校 川上 歩夢(かわかみ あゆむ)
「お母さんからのプレゼント」
 
  八年前の三月のおわり、川上家にはじめての子どもが生まれました。それが、ぼくです。
「生まれた日のことは、わすれられないよ。」二年生の生活科の勉強で、ぼくが生まれた時の様子をお母さんにインタビューしました。ぼくがおかあさんのおなかにいた時、お母さんは、おなかの調子がわるくて二回入院したそうです。
おなかの中のぼくは元気に育って、予定日をすぎた八年前の三月三十日に生まれてきたとはじめて聞きました。その日の写真には、お母さんが生まれたばかりのぼくを、ぎゅっとだきしめている様子が写っています。お母さんの顔は、ないたあとみたいにつかれた顔で、でも笑っていました。
「12時間もいたみがつづいて、やっと生まれた歩夢をだっこした時は、なみだが出たよ。」ぼくを生んだ時の話をきいて、お母さんは、たいへんだったんだなと思いました。小さいころのぼくは、ごはん時間にちゃんといすにすわれなかったり、スーパーに行くとあっちこっちにうごき回ったり、おちつきのない子で、たいへんだったそうです。
「車にひかれそうになったこともあって、目がはなせなかったよ。」
 八才になった今でも、おもしろそうな楽しそうな物があると、すぐに近づいて行ってしまうくせは、なおっていません。
「ぜんぶ食べおわるまでは、せきは立たないで!!」
と、いつも言われています。
 この春休み、たん生日がくる前、
「ぼくのたん生日、どうするの。」
とお母さんにきいてみると、
「そうだったね、考えておく。」
とだけ、言いました。ぼくの春休み中、お母さんは仕事がいそがしくて、ぼくはずっと、学どうやおばあちゃんの家に行っていました。土日もお母さんは、家の仕事のほかに、家のパソコンでも仕事をしたり、仕事に出かけていったりしてパタパタとしていました。
たん生日の三日前になっても、お母さんは何も言いません。ぼくは、しんぱいになってきました。
たん生日の前の日、いつもと同じように学どうにおくってもらう車にのりました。すると、お母さんが、
「明日、仕事お休みもらったから歩夢とデートするよ。歩夢の行きたい所に行こう。」
と言ってくれました。
「やったー。」
と、うれしくなってぼくは、とびはねました。
たん生日の日、ぼくは前から見たかった、えい画をお母さんと見に行きました。
家に帰ってから、家族みんなでたん生日ケーキを食べました。その夜、生活科の勉強のときにお母さんからもらったお手紙をまた読んでみました。
『生まれてきてくれてありがとう。』
お手紙のさいごにお母さんが書いてあります。 ぼくは、お母さんから命のプレゼントをもらったんだと思います。これからも、この命を大切にしていろいろなことをがんばっていきます。
お母さん、これからもよろしくお願いします。
 
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