西日本電信電話株式会社(以下、NTT西日本)は、総務省の「環境負荷軽減型地域ICTシステム基盤確立事業」※1である「福岡県北九州市におけるICTの技術仕様の検証のための地域実証」の実証実験(以下、本実証実験)を、2011年1月14日(金)から開始いたします。 |
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ICTの積極的な利活用により、地域における環境負荷軽減の促進に資するICT基盤を確立し、環境にやさしいまちづくりを支援する事業 |
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1.本プロジェクトの実施背景 |
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近年、地球環境問題はますます深刻化しており、その解決に向けた取り組みの重要性が指摘されています。NTT西日本グループにおいても、地球環境保護を企業としての重要な責務と捉え、「NTT西日本グループ中期経営戦略」のもと、環境経営の推進に取り組んでいます。
また、今回の実証フィールドである北九州市様におかれましても、「環境モデル都市」として、まちづくりにエネルギーを中心とした環境政策を織り込み、地域全体で低炭素社会の実現に挑戦されています。
このような背景のなか、総務省の平成21年度補正予算事業「環境負荷軽減型地域ICTシステム基盤確立事業」として、NTT西日本北九州支店(支店長:保村英幸)が主体となり、北九州市様をはじめとするコンソーシアムメンバー(別紙1参照)の協力を得てフレッツ 光ネクスト等を活用してIPv6ネットワークで構築したスマートネットワーク※2の社会実験を2011年1月14日(金)から行い、温室効果ガス削減につながるICTのシステム基盤確立のための実証を行います。
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北九州市様が推進する環境にやさしいまちづくりを支援するための各地域特性に合わせた通信ネットワークシステム |
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2.本実証実験の概要 |
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本実証実験では、スマートコミュニティ構想※3のうち、スマートネットワーク及びエネルギーの見える化システムに関する実証実験を実施します。実証環境の設計・構築を通じた技術仕様の検討を行うとともに、スマートコミュニティ構想における環境負荷軽減への貢献度について、実証実験により明らかにしていきます。
モニターとして、北九州市内の財団法人九州ヒューマンメディア創造センター(以下、ヒューマンメディア財団)や北九州市立八幡小学校などをはじめ、住民の方々にご協力いただき、モニター宅の日々の電力使用量を計測し、そのデータがネットワークに与える影響を評価します。また、収集データのセキュリティーを確保する方式の検討等を通じて、スマートネットワークに対する技術要件を明らかにします。さらに、計測した電力使用量をスマートフォンなどの携帯性の高い端末に表示するなど、モニターの省エネ行動を促すアプリケーションを導入し、それらによる温室効果ガス排出の削減効果を測定します。
※3 |
新しい社会インフラであり、新しい街づくりのコンセプト (例)新しい情報ネットワーク、新しいエネルギーシステム、新しい交通システム、快適性向上と省エネを両立した新しい街づくりなど |
(1) |
本実証実験の実施期間
2011年1月14日〜2011年2月28日
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(2) |
本実証実験の実施フィールド
福岡県北九州市
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(3) |
対象者(モニター)
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北九州市にお住まいの30世帯 |
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ヒューマンメディア財団 |
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北九州市立八幡小学校 |
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等 |
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本実証実験のポイント
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エネルギーの見える化システムによる節電行動の評価(別紙2参照)
モニター宅に設置した電力量センサーにより、モニター宅の電力使用量を計測します。計測された電力使用量データは、スマートネットワークを通じてクラウド上のサーバーに格納され、モニターのパソコン端末だけでなく、スマートフォンなどの携帯性の高い端末や、常時視認可能なタブレット型端末に表示します。また、モニター全体の電力使用量の見える化を行うことによって、各モニターとモニター全体との電力使用状況の比較を可能とします。モニター同士、あるいはモニターとモニター全体とを比較した結果を電子メール等で配信してモニターの“気づき”を促すなどし、それらが節電行動にどのような影響を及ぼすかを評価します。
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<2> |
スマートネットワークの技術仕様検討(別紙3参照)
スマートコミュニティ構想を実現するためには、各モニター宅にセンサー機器、制御機器、情報機器などを配備する必要があります。これらの機器の数は膨大になると考えられ、スマートネットワークを通じて大量の情報が交換されると考えられます。
こうした想定を踏まえ、本実証実験では、IPv6網であるフレッツ 光ネクストを利用してスマートネットワークを構築し、実験時のトラヒック測定や分析を通じて、フレッツ 光ネクストのスマートネットワークへの適用性を評価するとともに、セキュリティーや信頼性の観点で、ネットワークに必要な機能や仕様の検討を行います。
さらに、今後の事業化を見据えて、モニター宅までの安価なネットワーク接続方式の確立をめざします。既存の光ファイバーアクセス回線にセンサーデータを流通させるネットワーク接続形態や、IPv6無線メッシュ技術※4を活用したワイヤレスによるユーザー集約型の接続形態など、様々なネットワーク接続形態について、その有用性とコストを評価します。 |
※4 |
IPv6アドレスを付与した無線通信装置が、近傍の装置と相互に接続した網目状(メッシュ)のネットワークを構成し、バケツリレー方式でデータを送受信する技術。一部の無線通信装置が故障した場合でも、別の経路を用いて通信できるといった特徴を有する。 |
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3.今後の予定 |
 | 本実証実験で得られる知見とノウハウを活用して、スマートコミュニティ構想におけるスマートネットワークの構築に取り組んでまいります。 |
(参考) |
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本取り組みは、北九州市産業経済局様が本日発表されるスマートネットワークに関する実証実験の取り組みと同一事業です。 |