平成21年2月3日
(報道発表資料)
西日本電信電話株式会社
日本電信電話株式会社


ユビキタス特区事業
「アクティブタグを活用したユビキタスヘルスケア」
プロジェクトの実証トライアル開始について
〜ユビキタス技術による効率的な保健指導サービスを目指して〜


 西日本電信電話株式会社(以下 NTT西日本、所在:大阪府大阪市、代表取締役社長:大竹伸一)、日本電信電話株式会社(以下 NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:三浦 惺)は、総務省のユビキタス特区事業(*1)である「アクティブタグ(*2)を活用したユビキタスヘルスケア」プロジェクト(以下 本プロジェクト)の実証トライアル(以下 本トライアル)を、本日2009年2月3日(火)から沖縄県座間味村をフィールドに開始いたします。


1.本プロジェクトの実施背景
 総務省のユビキタス特区事業は、わが国のICT産業(*3)の国際競争力強化を図ることを目的とした2008年から2010年までの3カ年の実証事業です。本プロジェクトは2008年4月からメタボリックシンドローム(*4)予防のために義務化された特定健診及び特定保健指導(*5)(以下 特定保健指導)において、保健指導対象者の負担軽減が課題になっていることに着目したものです。
 特定保健指導で、「積極的支援(*6)」に階層化された対象者には、6ヶ月間、行動変容を促し、生活習慣の改善に導くための保健指導が必要となります。この場合、対象者には、日々測定する血圧や体重等のバイタルデータを、手書きやパーソナルコンピュータ(以下 PC)等により日々登録作業を行うことが求められており、継続的な保健指導を実現するためには、高齢者等の、PC等の扱いに不慣れな方々を考慮し、バイタルデータの蓄積・管理を安全で確実に簡易なものとした、対象者の負担を軽減できるICTシステムが求められています。
 特に、座間味村のような島嶼地域や山間地域においては高齢化の進行が顕著であり、手書きやPC等による登録作業を負担と感じる対象者の増加が想定されております。また、沖縄県は、いわゆる「26ショック」 (*7)により、肥満の割合が全国で最も高く、青壮年の健康増進が重要な課題の一つになっており、2002年に「長寿県の復活」に向けたアクションプラン「健康おきなわ2010」(2008年3月「健康おきなわ21」に改定)(*8)を策定し、県民の健康増進に努めている等、健康に対する取り組みに積極的です。NTT西日本とNTTは、本プロジェクトを通し、地域が抱える社会的課題の解決にも貢献したいと考えております。


2.本トライアルの実施概要
 本トライアルでは、効率的な保健指導サービスの実現に向け、日々計測する健康情報(以下 バイタルデータ)をアクティブタグによる自動転送で登録・収集し、ネットワーク(以下 NW)を介し安全・確実に蓄積・管理が可能なユビキタスヘルスケアサポート基盤(以下 本基盤)を整備し、その有効性を実証します。
 座間味村の住民の方々に協力をいただき、本プロジェクトのキー技術であるアクティブタグを内蔵した歩数計を日々携帯し、役場、公民館、診療所等10ヶ所のコミュニティに設置したゲートを通過することにより、アクティブタグからリーダへ歩数データを自動転送し、NW経由でデータベースに登録します。
 今年度は、本トライアルを活用して日頃運動不足な方にも屋外で歩行する習慣を身に付けて頂くためにコミュニティでのデータ登録・収集の有効性を検証することにしています。保健師は歩数データを参照することで保健指導に活かし、対象者は自分自身の日々の歩数データを確認して生活習慣の改善に活かします。
 また、将来的には介護予防や見守りサービス等、様々な場面での本基盤の利活用も見据えています(別紙1)。

(1)期間
2009年2月3日〜2009年3月31日

(2)検証地域
沖縄県座間味村
※課題と環境
i) 島嶼地域の中でも複数の有人島を抱える自治体であり、高齢化だけでなく、天候に左右され易い生活基盤のために、海を隔てた住民の健康管理に必要な保健指導を実施したい時にできない等の課題を抱え、NWの活用によるライフサポートを目的とした基盤構築が求められている
  ii) 有線・無線を使ったブロードバンドが整備されている

(3)対象者
座間味村の住民 約100人

(4)検証項目
i) 歩数データのアクティブタグによる自動転送の検証
  ii) ヘルスケアサポート基盤のコミュニティレベルでの有効性の検証

(5)検証のポイント
 現状では、保健指導を通して日々測定するバイタルデータは歩数計や体重計等のセンサの表示を手書きして記録するか、又はセンサ毎にUSB(*9)でパーソナルコンピュータ(以下 PC)につなぎ換えて登録するため、対象者の負担が大きい等の課題があります。その課題を解消するために、対象者の負担を軽減できるICTシステムとして、各種の無線方式の中からアクティブタグを選定し導入しております。本トライアルでは、ヘルスケアサポート基盤へのアクティブタグの適用可能性や、高齢者等の、PC等の扱いに不慣れな方の負担軽減手段としての有効性をポイントに検証します。


3.システムの特徴
(1)ユビキタスヘルスケアサポート基盤
 本基盤は、センサで取得したバイタルデータを蓄積・無線送信する「広帯域429MHzアクティブタグシステム」と、データを整理してサーバに登録する「センサデータ処理プログラム」から構成されるシステム基盤です。<1>データ登録の簡便化、<2>高速なデータ登録、<3>確実なデータ管理が特徴です。体重計や血圧計等のセンサから取得されたバイタルデータは、アクティブタグを内蔵した歩数計に収集・蓄積されます。ユーザはアクティブタグを内蔵した歩数計を携帯してゲート付近を通過するだけで、無線伝送により無意識にバイタルデータを登録することができます(別紙2)。
 本基盤により、PC操作等の煩わしいデータ登録作業が不要となり、ユーザによる「バイタルデータの収集・登録」プロセスが簡便化できます。

(2)保健指導管理システム
 市販の健診データ管理ソフトウェアと「血圧管理指導プログラム」を1度の認証処理により利用出来るようにカスタマイズ開発を施し、多数の健診対象者の特定健診データから積極的支援対象者のデータのみを選び出したり、その対象者が日々登録する歩数・血圧・体重データを管理・閲覧したり、適切な保健指導情報を自動生成したりする等の機能を有した保健指導の効率化を支援するシステムです。また、「血圧管理指導プログラム」は2008年に実施した「中津川市ヘルスケアトライアル」(*10)でその有効性を実証済であり、本システムではその知見も踏まえた構成にしてあります。


4.各社の役割
(1)NTT西日本
 本トライアルの総合窓口として、NW構築、実証トライアルの運用、検討委員会事務局の運営、実験用電波申請、各所調整、報告書作成等を行い、ネットワークを活用した新しいヘルスケアサービスのビジネスモデルの検証を行います。

(2)NTT
 ユビキタスサポート基盤及び保健指導管理システムの技術検証や運用性の評価を行います。


5.今後の予定
 今年度の実証トライアルを2009年3月末まで実施し、基本データを取得して、アクティブタグを内蔵した歩数計によるバイタルデータ登録の簡便化の有効性を検証し、報告書にまとめ、総務省に提出します。


【用語解説】

(*1)「ユビキタス特区」事業
 国際的に優位にあるユビキタスネットワーク技術等を活用し、世界最先端のサービスの開発、実証等を促進し、日本のイニシアティブによる国際展開可能な「新たなモデル」を確立するとともに、豊かな国民生活の実現に寄与することを目的とする総務省の総合的なプロジェクト。

(*2)アクティブタグ
 無線ICタグ(RFID)の種類の一つで、電池を内蔵して数十m程度の長距離での交信が可能なタイプのICタグのこと。

(*3)ICT
 nformation and ommunication echnologyの略称で、情報通信技術。

(*4)メタボリックシンドローム
 内臓脂肪型肥満をベースにして、高血圧、高血糖、脂質代謝異常(コレステロールや中性脂肪が多い状態)のうちの、いくつかの危険因子をあわせもった状態。

(*5)特定健診及び特定保健指導の義務化
 「医療制度改革大綱」を踏まえて、「生活習慣病予防の徹底」を図るため、平成20年4月から、高齢者の医療の確保に関する法律により、医療保険者に対して、糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査(特定健診)及びその結果により健康の保持に努める必要がある者に対する保健指導(特定保健指導)の実施を義務づけること。

(*6)積極的支援
 厚生労働省が定めた「標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」(2007年4月)において、保健指導の必要性ごとに対象者を「情報提供」、「動機づけ支援」、「積極的支援」に区分。対象者ごとに生活習慣の改善点や取り組むべき目標設定をし、行動変容を継続的に実行できるよう医師や保健師等の指導者が支援すること。

(*7)「26ショック」
 平成14年12月に公表された都道府県別の平均寿命で、沖縄県は、2000年時点で女性が86.01歳で全国1位を維持しているが、男性は77.64歳で全国平均(77.71歳)を下回り、その結果、平成7年の全国4位(77.22歳)から26位に後退したことの喩え。

(*8)「健康おきなわ2010」
 「健康おきなわ2010」は、沖縄県が2002年1月に県民の早世の予防、健康寿命の延伸と生活の質の向上を目的に策定した県民の健康づくりの指針(健康増進計画)。生活習慣や生活習慣病に関する9つの分野について2010年度までの達成目標と取り組みを策定。2008年3月に「健康おきなわ21」に改定。

(*9)USB
 niversal erial usの略称で、PCと周辺機器を結ぶインターフェース規格の一つ。

(*10)中津川市ヘルスケアトライアル
 岐阜県中津川市、NTT西日本、NTTによりネットワークを利用して市民の元気な暮らしづくりをサポートすることを目的に2008年2月〜8月まで実施した共同実験。



別紙1 ユビキタス特区で目指す保健指導サービス
別紙2 ユビキタスヘルスケアサポート基盤の特長



【本件に関する問合せ先】
西日本電信電話株式会社
沖縄支店 法人営業部
公共営業担当 伊良波、城間
TEL:098−840−4130
 
  日本電信電話株式会社
研究企画部門
プロデュース担当:山口
TEL:03−5205−5391



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