平成14年3月4日

(報道発表資料)

日本電信電話株式会社
西日本電信電話株式会社
福岡市立こども病院・感染症センター
財団法人九州システム情報技術研究所

光ブロードバンドで入院患者に安心感を与える
コミュニケーション空間を演出

〜いつでも病室から家族と会話し、自分の家にいるような安らぎを目指して〜


 日本電信電話株式会社(以下NTT)、西日本電信電話株式会社(以下NTT西日本)福岡支店、福岡市立こども病院・感染症センター(以下福岡市立こども病院)、財団法人九州システム情報技術研究所(以下ISIT)は、病気療養のため長期入院を強いられ、心理的に過度のストレスを受けている小児患者のコミュニケーション環境の改善を目指した試みを3月より約3ヶ月間共同で行います。

 本試みでは、福岡市立こども病院とISIT間をNTT西日本が提供するBフレッツで接続し、「呼べば答えてくれる」といったあたかも自分の部屋にいるような安心感のあるコミュニケーション環境や、複数の児童間をつないだ仮想授業、ネットワークを介したロボットとの対話による知的好奇心の刺激などを享受できるサービス(e-ライフアメニティサービス)を検証します。
 その後、実際に入院中の小児患者の自宅と病室間をBフレッツで接続し、家族とお互いの存在感を確認しながらいつでも会話が可能な環境を構築し、サービスの有効性を評価します。

 NTTサイバーソリューション研究所とISITは、システム環境の構築を行い、それぞれのシステムが小児患者へ与える心理的影響、システムの有効性の検証、課題抽出を行います。福岡市立こども病院は、検証フィールドの提供、医師・看護婦・院内学級教諭によるこどもへの影響評価支援などを行います。また、NTT西日本福岡支店は、回線の敷設・ネットワーク評価等を実施します。

〈実施の背景〉
 福岡市立こども病院は、西日本唯一の小児専門総合病院です。福岡県以外からの患者さんも多数入院されている現状から、遠隔地から面会等に通うご家族にいろいろな意味で負担がかかると思われる場合も少なくありませんでした。また、同病院の感染症センター入院に際してはその疾患の性質上、面会が制限されることも少なくありません。このような環境の下、入院中のお子さん方は、病気と戦うことと同時に、親しい人と会えないことや学校に行けないことによるストレスを感じる場合も少なくありません。同病院は、この問題を小児患者の病状の推移・快復に大きな影響を与える課題と位置付け、その効果的な解決策を模索してきました。

 NTT研究所では、長期入院中の小児患者の教育とコミュニケーション環境を仮想空間と双方向動画像通信技術で支援する「院内学級支援システム」を開発し、2年前から国立小児病院等と評価を行ってきました。その結果として、システムの有用性は確認されましたが、当時は、光ブロードバンドがまだ一般向けに提供されてなかったため、低速ネットワーク環境下では映像・音声の品質が不十分で、臨場感や応答性等の面で課題が残されました。
 光ファイバが自宅まで低廉な料金で設置されるようになってきた現在、従来の課題を克服し、小児患者等のコミュニケーション環境をより豊かで安心感の高いものとすることを目指した、e-ライフアメニティーシステムの開発を行っています。

 ISITでは、情報機器のヒューマンインタフェースに関する研究開発を行っています。そのひとつとしてロボットを使用したコミュニケーション支援技術を研究しています。人とロボットとの直接的な対話だけではなく、ネットワークを介した対話において、ロボットに必要とされるインタフェース技術の開発は重要な研究テーマのひとつとなっています。

 NTT西日本福岡支店は、Bフレッツサービスを昨年11月から開始し、光ブロードバンドに適したサービスを追及してきました。

 そして今回、4者はそれぞれが持つ知識・ノウハウ・技術を結集し、入院中の小児患者のストレスを軽減し、本来の快復力を発揮させることを支援するe-ライフアメニティサービスを試みることになりました。

〈具体的な機能〉
e-ライフアメニティサービスには以下の機能があります。(図参照
1. 仮想ペットを用いた直感的な操作インタフェース
 自分の部屋をベースにした仮想空間を構成し、仮想ペットへの呼びかけ、もしくはタッチパネルによる、直感的な操作インタフェースで、コンピュータに不慣れな方にも簡単に利用いただけます。

2.

状態情報交換機能
 自宅にいる相手の状態(話ができる、出かけている、お風呂、トイレ等の状態)を事前に把握でき、家族の存在感を確認することによる安心感を提供します。また、自分の状態を送ることにより、家族も安心できます。

3.

呼びかけ、応答型動画像通信機能
 自宅にいる家族を確認した後、家族の名前を呼びかけることにより自動的に動画像通信に移行し、あたかも自分が自宅にいて家族と会話をするような自然なコミュニケーション環境を提供します。

4.

多地点を結んだ仮想授業
 複数の参加者が同じ教材を使用して授業が受けられる多地点の仮想教室であり、入院により学校に行けない小児患者の不安感を解消し、友達と一緒に授業を受けることを可能にします。

5.

自動追跡型カメラによるスムーズな会話環境
 カメラの前にいる人の動きに追従し、常にカメラの中央で人の顔を捉えて、その映像を相手に送ることにより、スムーズな会話環境を提供します。

6.

ロボット、ネットワークカメラ操作機能
 ISIT内に設置されているロボットや外部に設置しているカメラを音声により操作することによって、見たい場所のリアルタイムの映像を取得することを可能にし、外に行けない小児患者たちに外界との接触環境、楽しさを提供します。


〈今後の予定〉
 光ブロードバンドネットワークは、広帯域による高品質な双方向コミュニケーションと、常時接続による安心感通信を提供可能にします。今後は、得られた知見、課題を吸収し、療養中の子供たちに喜びを与えられるアメニティ・コミュニケーションシステム、また一人暮らしの高齢者を同様なコンセプトにて支援するコミュニケーションシステムとしての展開を目指します。また、ロボットとのコミュニケーションを通して、何時でも、何処ででも、誰にとってもやさしいインタフェース環境の実現を目指します。



図ー1 eーライフアメニティサービスの機能
図ー2 eーライフアメニティサービスの機能
図ー3 eーライフアメニティサービスのネットワーク構成


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