News Release

平成12年11月14日

FMラジオ放送におけるコマーシャルのオンエア状況を高速かつ正確にチェックできる
「FM放送局向けCMチェックシステム」の販売開始について


 NTT西日本は、FMラジオ放送の中から、特定のコマーシャル(以下、CM)を高速かつ正確に探索し、スケジュールどおりに放送されたかどうかなど、実際のオンエア状況を容易に確認することができる「FM放送局向けCMチェックシステム」を平成12年11月20日(月)から販売開始します。

システム名 FM放送局向けCMチェックシステム
システム構成 探索用アプリケーション、音声取り込み用アプリケーション、
音声取り込み用PC(4台)、音声データ保存・探索用PC(1台)、
CRT、HUB等
販売開始日 平成12年11月20日(月)
販売予定価格 約500万円〜
販売地域 全国
販売予定数 約30システム



1.背景
 CM放送は、テレビやラジオ等の放送業界にとって、番組制作等に欠かせない大きな収入源であるとともに、スポンサー企業にとっても世の中に自社ブランドを訴求する重要な手段です。
 このため、放送業界では、CMを確実に放送するとともに、より正確なオンエア状況の確認と報告を行い、スポンサー企業からの信用を得ることが重要となっています。
 こうした中、NTT西日本では、特定の映像や音声を高速探索できる「時系列アクティブ探索法※1」を用いた「コンテンツ利用チェックシステム※2」の試作機を開発するなど、放送の中からCM等の特定のコンテンツを高速で探索できるシステムの実用化に向けて取り組んできました。
 そしてこの度、加工処理等により品質が変化(低下)した音声や映像の中からでも、特定の音声や映像を瞬時に探索できる「学習アクティブ探索法※3」を採用することにより、放送局毎に固有の放送波が利用されているためシステム化が困難であったFMラジオ放送におけるCMのオンエア状況の探索・確認を高速かつ正確に実施できる「FM放送局向けCMチェックシステム」を開発しました。
 なお、本システムは、広島エフエム放送株式会社の協力のもと、NTT西日本広島支店において利用実験を行い、実用化に至ったものです。


2.システムの概要
 本システムは、実際のFMラジオ放送の中から特定のCMを高速かつ正確に探索し、CMがスケジュールどおりに放送されたかどうかなど、実際のオンエア状況を容易に確認できるシステムです。

 具体的には、以下の手順によりCMのオンエア状況を確認します。(別紙参照)
  <1> CMの放送スケジュール等の情報を放送局システムから取り込みます。
  <2> 放送前の音声データの中から探索したいCMの音声データを抽出し、登録します。
  <3> 実際に放送された音声データを取り込みます。
  <4> <2>で登録したCMの音声データと<3>で実際の放送から取り込んだ音声データを比較・照合することにより、CMのオンエア状況を確認します。
  <5> CM放送確認結果を本システムと連携している放送局システムへ転送します。放送局では、CM放送確認結果を放送確認書として出力し、広告代理店やスポンサー企業へ報告します。


3. 主な特徴
(1)実際に放送された音声データとの照合による正確かつ高速なチェックを実現
従来の方式では、オンエア用として放送局システムに保存されているCMデータが、放送局システムから送出されたかどうかにより、放送の有無を判断していましたが、本システムでは、実際に放送された音声データを取り込んでチェック対象CMの音声データと照合しますので、より正確にオンエア状況を確認することができます。
また、本システムでは、「学習アクティブ探索法」を活用することにより、24時間のオンエア情報から15秒のCMを1件あたり約1秒で高速探索することができます。

(2)FMラジオ放送特有の加工された放送波にも対応可能
FMラジオ放送では、静かな部屋、移動中の車などいろいろな受信場面を想定し、音声を聞き取りやすくするための音声変調加工が放送局毎に施されています。そのため、元々の音声が同じものであっても、放送局によって微妙にオンエア後の音声が異なる場合があります。
本システムでは、「学習アクティブ探索法」を活用することにより、こうしたFMラジオ放送特有の音声変調加工が施されている場合でも、正確に対応できる高い汎用性を持っています。

(3)他局から配信されるネットCMの確認も可能
キー局等の他局からは、CM(ネットCM)を含めた番組全体がそのまま配信されてくるため、特定のCM部分のみを抽出するのは困難であることから、番組全体を一定時間毎に細かく分割し、各部分について放送前のデータと実際に放送されたデータとを比較・照合することで、番組全体のオンエア状況を確認できます。これにより、番組内に含まれるCMのオンエア状況も確認できます。

(4)チェック対象となるCMデータへの加工が不要
チェック対象CMの音声データをそのまま使用して、実際の放送から受信した音声データと比較・照合しますので、あらかじめCMの音声データにIDや電子透かし※4等の比較・照合のキーとなる情報を埋め込む必要がありません。

(5)既存の放送局システムとの連携を容易に実現
本システムに若干のカスタマイズを施すだけで、既存の放送局システムで使用しているデータフォーマットやシステム相互間の接続等に用いる物理的なインタフェースをそのまま利用することができますので、本システムと既存の放送局システムとの連携を容易に実現します。

(6)汎用パソコンの採用等による低価格化を実現
本システムは汎用パソコンを中心に構成しており、既存の放送局システムに容易に組みこむことができますので、既存のシステム環境や業務フロー等に大幅な変更を加えることなく、低価格でシステムを導入することができます。


4.今後の予定
 一層の利便性向上を図るために、本システムの機能を充実させるとともに、今後は、FMラジオ放送以外のAMラジオ放送やテレビ放送のほか、デジタル放送等でも利用できるシステムを提供していく考えです。
 さらに、不特定多数の情報が氾濫するインターネット等において、「学習アクティブ探索法」等の高度な探索法を利用することにより、特定のコンテンツを検索できるシステムの提供も検討していきます。




※1   時系列アクティブ探索法
テレビ放送やラジオ放送から長時間の音声や映像を取り込み、あらかじめ登録しておいた特定のデータと照合を行い、データの類似度が一定以上になる箇所を高速で探索できる技術。NTTの研究所が開発。

※2  

コンテンツ利用チェックシステム
NTT西日本が、時系列アクティブ探索法を活用し、市販のパソコンおよびチューナー(あるいはビデオデッキ等)を組み合わせて開発した試作機。実際にテレビ放送やラジオ放送等の中から、特定の映像や音楽(コンテンツ)を自動的にかつ高速に探索できる。

※3  

学習アクティブ探索法
インターネット上などに流通している編集や圧縮等の処理によって品質が変化(低下)した膨大な音声や映像等のデータの中からでも、ある特定の音声や映像と同じもの(類似度が高いもの)がどこにあるかを瞬時に探し出すことができる技術。時系列アクティブ探索法に編集や圧縮等によって音声や映像等のデータの特徴がどのように変化するかを学習する機能を付加したもの。NTTの研究所が開発。

※4  

電子透かし
音声や映像等のデータの一部を人間では知覚できない程度の微小量だけ変更し、データ内に照合のキーとなる情報を埋め込む技術。特にディジタルコンテンツの不正利用防止等の著作権管理として活用されている。



(別紙) システム動作手順


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