ぼくが住む熊本は、自然豊かなとてもいい所だ。近所には、ホタルが住めるほど水がきれいな江津湖がある。熊本市を出て、少し足をのばせば、有名な阿蘇や天草の大自然にふれることもできる。そんな熊本が、ぼくは大好きだ。でも、まだまだ知らない地域もある。
昨年九月末、ぼくは、農村体験イベントに友人と参加し、初めて人吉・球磨地域を訪れた。熊本南部の地域ということしか知らなかったので、どんな発見があるのか、とても楽しみだった。
まず、あさぎり町に行った。球磨川が流れ、周りには高い山々や一面に広がる田んぼなど、美しい風景が広がっていた。稲が黄金色に実り、収かくの時期だったので、ぼくたちは、地元の農家の人に教わりながら、かまを使って稲かりをした。こしをかがめて、一束ずつ根元からかり取っていく。思った以上に大変な作業だった。昔の人は、この広い田んぼの稲かりを全部手作業でやっていたのかと思うと、頭が下がる思いがした。毎日あたりまえのようにごはんを食べているが、手間ひまかけてお米を作って下さった農家の人達への感謝の気持ちを、忘れてはいけないと思った。
次に、その日お世話になる民宿を訪ねた。民宿のおじさんとおばさんは、とても明るくやさしい人達だった。みんなで夕食を作ることになり、ぼくたちが、いろいろな野菜を包丁で切ったりしていると、おばさんが、
「今そこで使っている野菜は、全部うちで作ったものよ。」
と教えてくれた。まさに旬の食べ物だ。自分達で作った料理は、おいしくてたまらなかった。不思議なことに、きらいなオクラやトウガンも全部食べることができた。とても楽しい食事の時間だった。
次の朝早く、ぼくたちは、おととし国宝に指定された青井阿蘇神社に行った。真っ赤な鳥居の先に、かやぶき屋根の大きな楼門が、すごい迫力で立っていた。神殿などの建物も、長い歴史を感じさせるもので、堂々とした、落ち着いた雰囲気の神社だった。武士がいた時代から今まで保存されているなんて、すごいことだと思った。
その後、昨年運行が始まったという、SL人吉に乗った。真っ黒のSLはとてもかっこよく、けむりを出す時の「ボーッ」という音が体中にひびきわたった。今でもその時の感覚が忘れられない。人吉をはなれるさびしさもあり、ずっと乗っていたいと思った。
一泊二日の短い間だったが、とても貴重な体験ができたと思う。人吉は、県外では「じんきち」と言われてしまうほど認知度が低いという話を聞いたが、「ひとよし」という名の通り、人の良い人ばかりだったし、自然の恵みあふれる、とてもいい所だった。多くの人にこの魅力を伝えたいと思った。
自然豊かなすばらしい地域を、また一つ発見できて、ぼくは、ますます熊本が好きになった。
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