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の 極意 アンド ー赤星さんといえば、現役時代には レッドスター.として、塁に出ては盗塁 を成功させてファンの期待に応えてい たというイメージ、そして今は、野球の 初心者が聞いてもわかりやすい解説を してくれるというイメージがあります。  そう言ってもらえるとうれしいです ね。でも、僕の解説って、評価が分かれ るんです。「わかりやすくていい」と言っ てもらえる半面、「細かいところまで説 明しすぎる」と。でも、僕はそれでいいと 思っているんです。  野球に詳しい人向けにマニアックな ことばかり言っていると、初心者の 方々は離れていってしまうでしょう。 それに、マニアックなことを言っても、 詳しい人たちの中には、「それはもう 知ってるよ」って思っちゃう人もいるで しょうし。だから僕は、野球の間口を 広げるためにも、誰もがわかる解説を 心がけているんです。 ーそれでは、野球以外の、情報番組 をはじめとした場でコメンテーターと して活動される際などについてはどう でしょうか。  そうですね、僕は情報番組などに呼 んでいただいた場合、まずは、しっかり と準備をします。とはいえ、どれだけ 勉強をしても政治や経済の話題につい て、専門家と同じように考えを披露す ることはできないでしょう。にもかか わらずどうして僕が呼ばれたのかを 考えたら、視聴者と同じ視点が求めら れているのかもしれないというところ に行き着きます。そこで初めて、視聴 者の方が聞きたいだろうなということ を専門家の方にぶつけようと考えるわ けです。しっかりと考えて準備するこ ビジネス上はもちろん、様々なシーンで人との関係を築いていく上で、相手の心に響く 意志伝達の方法は重要なもの。だが、そのように、相手の心を響かせることは容易ではない。 そこで、阪神タイガースで球界屈指の俊足プレーヤーとして名を馳せ、 現在は野球解説者などとして活躍する赤星憲広氏に、 多くの人に何かを伝え、成果につなげるための秘訣を聞いた。 顧客との関係づくりの プロに聞く とが、多くの人に響く答えを導き出す ことになるんじゃないかと思います。 ーなるほど、赤星さんにとって、何 ごとにおいても、まず考える.ことが 重要なのですね。これまでのターニン グポイントでも、常に深慮されてきた のでしょうか。  僕は、考える.ということは、コミュニ ケーションの一環だと思っているんで す。深く考えることで相談すべき相手が 見え、自分の立場を客観的に見たうえ での意見や、自分では思い至らなかった 役立つ情報などを得ることができます。  たとえば、大学進学時もJR東日 本へ入社するときも、阪神タイガース に入団するときも、これでもかという くらい考え抜きました。自分の将来ビ ジョンにどのように影響を及ぼすのか などを深く考え、将来の道を選択して きたからこそ、今の自分がいると思っ ていますし、それには周りの人とのコ ミュニケーションが欠かせなかったと 考えています。だって、自分ひとりで行 けるところには限界がありますから ね。人のアドバイスや力を借りること ができれば、自分の力を出し切ること ができます。そのためにも、まず、自分 で考えるということが重要なんです。  考え続けてきたからこそ、僕はター ニングポイントを迎えるたびに、より 高みに昇ることができたのだと思って います。 考える.という行為がさらなる高みへと導く 考える.ことは コミュニケーションの一環 赤星 憲広野球解説者 コメンテーター 15 vol.11  vol.11 14