ISDN 通信機器・配線工事について よくあるご質問

INSネットでは、ISDN対応のディジタル通信機器を利用しなければなりませんが、アナログポートを搭載したターミナルアダプター（TA）を利用すれば、現在ご利用のアナログ用の通信機器もそのままお使いいただけます。ただし、プッシュ式（PB式）の機器しか接続できないターミナルアダプター（TA）が増えつつありますので確認が必要です。

データポートを搭載したターミナルアダプター（TA）が必要です。
データポートとパソコンをケーブル（RS-232Cケーブル^※1など）で接続します。

1. RS-232Cケーブル
   両端に25ピンコネクターのついたケーブルで、米国電子工業会（EIA）で制定したRS-232Cインタフェースに準拠しています。

できません！
ターミナルアダプター（TA）のアナログポートからは硬貨収納信号が送出されないためです。そのため、ターミナルアダプター（TA）にピンク電話を接続した場合は、硬貨を収納せずに相手につながり、通信ができないなどピンク電話の機能は果たしません。

ISDNには、ダイヤル回線（DP）とプッシュ回線（PB）の種別はありません。

アナログ用の電話機から送出されたアナログ信号は、ターミナルアダプター（TA）でディジタル信号に変換されて交換機に送られますが、一般にターミナルアダプター（TA）では、プッシュ回線のPB信号^※1しかサポートしていない場合が多いようです。

1. PB信号
   音声周波数帯域の高群4周波、低群4周波を使用し、各群から1周波ずつ選び、その組合せによりダイヤル数字を表す。

ターミナルアダプター（TA）にG3FAXを接続してFネットを利用する場合は、G3FAXの「DP/PB」切替えを「PB」に設定する必要があります。ただし、Fネットお申し込み時には、G4モードでは申し込まないでください。

なお、G4FAXのFネットへの接続（契約）はもちろん可能です。
また、送達通知文を希望する場合は、ターミナルアダプター（TA）の自己アドレスを設定します。

コネクター^※1とISDN用の電話機コードで接続します。
また、アナログ用の電話機はISDNボードに直接接続できない場合は、バス配線、コネクターをもう1つ設けて、アナログポートを搭載したターミナルアダプター（TA）を介して接続します。

パソコンとアナログ用電話機を近くに置かれる場合は、2つの差し込み口を持ったコネクター（2ヶ口コネクター）を1つ付けて、ISDNボードとターミナルアダプター（TA）の両方を接続する方法もあります。

1. コネクター
   ISDN用のモジュラージャック。通常のコネクターと抵抗付コネクターがあります。配線の終端には抵抗付コネクターを必ず設置します。

NTT商品としては、i・トレンビー1200TがPHS端末を子機として使用することができます。

加入電話用のPHS対応ディジタルコードレスホンの親機をINSネットに接続する場合は、アナログポートを搭載したターミナルアダプター（TA）のアナログポートに接続してご利用いただくことになります。（「ISDNボードを使用する場合、アナログ通信機器はどのように接続すればよいのか？」を参照してください。）

PHS対応ディジタルコードレスホンは親機と子機（PHS）間の電波信号をディジタル化しているものであり、ISDN用という訳ではありません。

お客さまのご利用形態によって異なりますが、ターミナルアダプター（TA）を選択するポイントは、概ね次のとおりです。

1. データポートを搭載している。（RS-232Cインタフェース等）
2. アナログポートを搭載している。（利用するアナログ通信機器の数に合わせる）
3. DSU内蔵タイプか、別に購入するかを選択する。
4. 必要な通信速度を満たしているか確認する。
   （インターネットは同期64kbit/sが主流で、最近ではMP（マルチリンクプロトコル）^※1による同期128kbit/sも多くなってきています。）
5. Bチャンネル回線交換に対応している。
   （パケット通信を利用するには、「DチャンネルパケットかBチャンネルパケット」にも対応している必要があります。）
6. 速度変換方式がV.110に対応している。
   （V.110を利用し、非同期57.6kbit/s等の通信を行う場合）
7. グローバル着信拒否（選択）機能や内線通話などの通信機能をもっている。
8. INSボイスワープ(オプション)やフレックスホン(オプション)、INSナンバーディスプレイ(オプション)などのINSネット付加機能に対応している。
9. 停電時でもターミナルアダプター（TA）が機能するように、乾電池などによるバックアップ機能をもっている。

1. MP（マルチリンク・プロトコル）
   INSネット64のBチャンネル（64kbit/s）2本を束ね、最高128kbit/sの通信速度を実現する「Multilink PPP（MP）方式」のことをいいます。なお、従来はこのような機能をバルク伝送といっていました。

アナログポート搭載のターミナルアダプター（TA）とモデムが必要です。
アナログポートにモデムを接続して、加入電話と同様の利用方法でアクセスします。

パソコンとターミナルアダプター（TA）、パソコンとモデムなどをつなぐもっとも一般的なインタフェースがRS-232Cインタフェースです。米国電子工業会（EIA）で制定しコネクターの形状を含めた物理的条件や電気的条件を規定しています。

ディジタル通信では情報はすべて「0」と「1」の二進数に符号化して伝送されるので、どこがデータの始まりか、データの間隔はどのくらいかといった情報を正確に相手に伝えなければ正しくデータを送れません。

この情報を相手に知らせる方法には「同期」と「非同期」の2つの方式があり、ターミナルアダプター（TA）がどちらの方式をサポートしているか確認します。 同期なら64kbit/s、非同期なら最高57.6kbit/sの速度が利用できます。

同期方式

送信するデータの先頭に、同期信号という合図の役目を担う信号を付加します。これによってコンピューターは文字の最初の位置を正確に判断できます。

正確にデータを送信できることから、企業情報ネットワークに適しています。実際に通信を行う際には、「HDLC」、「全銀手順」といった手順が必要になりますので、ターミナルアダプター（TA）がその手順をサポートしているかどうかも確認する必要があります。

非同期方式

同期信号を利用せず、データが到着したところから文字の最初の位置を判断します。1つの文字の最初と最後にそれぞれスタートビット、ストップビットが付加されるため、伝送速度が遅くなる欠点があります。

多くの商用パソコン通信ネットは非同期方式のみを採用しています。通常、同期方式と違って特別な手順は使用しません。

パソコンなどから送出されるデータは、機種やインタフェースにより様々な通信速度のものがあります。INSネットを使って伝送するためには、ターミナルアダプター（TA）でINSネットの伝送速度（Bチャンネルで64kbit/s）に変換する必要があり、その変換方式の一つにITU-Tで標準化されたV.110速度変換方式（64kbit/s未満の通信を利用する際に必要な方式）があります。国内ではTTCにおいてJT-V110として標準化されています。

データ端末から送出されるデータを、いったん8kbit/s又は16kbit/sの中間の速度に変換し、その後、INSネットの64kbit/sへと最終的に変換する2段階速度変換方式です。

電源を入れた後「ACTランプ」は2～10秒程度点灯し消灯します。
正常な状態は消灯状態で、発着信時に早点滅、データ通信中に点灯状態になります。回線異常の場合には遅点滅」となります。（ただし、INSメイトV-5は正常時点灯）

回線異常を表わす「遅点滅」の場合には、DSUよりNTT西日本側の配線等を確認する必要があります。配線等が大丈夫な場合、回線故障の可能性があるため故障受付担当に連絡をします。

ターミナルアダプター（TA）のデータポート設定が間違っている可能性があります。

または、パソコンのOSのポート設定（モデム設定）に使うドライバーソフトが同期用と非同期用とで間違っている場合があるので、プロバイダーにあわせた設定を行っていただきます。

ターミナルアダプター（TA）の機種により様々ですが、INSメイトV-8DSUを例に説明します。

［例］1個の追加番号を与えて2個のアナログポートを使い分ける場合の設定手順

1. パソコンにINSメイトV-8DSUのイージーセットソフトをインストールし、起動させます。
2. アナログポートごとの簡易設定をクリックし、簡易設定のウィンドウを表示させます。
3. その中にグローバル着信を「着信する」「着信しない」と自己アドレスを投入する項目があるので、この2つの設定で使い分けます。

ターミナルアダプター（TA）の機種により様々ですが、INSメイトV-8DSUを例に説明します。

［例］TEL1ポートに電話機、TEL2ポートにはモデム＆パソコンを接続した状態で、TEL2ポートに接続させない方法

Q15の図のように、ターミナルアダプター（TA）の設定でTEL2ポートには全く別の番号の自己アドレスを設定し、グローバル着信をしないようにしておけば、ターミナルアダプター（TA）が判断してTEL2ポートにはつながりません。^※1

電話とFAXの使い分けをしたい場合は、ダイヤルインを利用してください。

1. TEL2ポートを着信拒否の設定にしておく方法もあります。

ダイヤルインサービス（オプション）を利用しない場合には、ターミナルアダプター（TA）の設定によっても着信順を予め固定することができます。

ターミナルアダプター（TA）の種類にもよりますが、INSメイトV-8DSUやV-7DSUなどは、優先着信ポート機能をもっているので、優先順位を設定することが可能です。

接続されたパソコンからイージーセットソフトで設定するか、ターミナルソフトでATコマンドにて設定します。詳しくはそのターミナルアダプター（TA）の取扱説明書を参照してください。

疑似コールウェイティングとは、2つのBチャンネルを利用して実現させるターミナルアダプター（TA）の機能です。このため、2台以上の電話機を接続していて2台同時に使用していると、このサービスは利用できません。また保留した相手には保留音が流れず無音となります。

疑似コールウェイティング中は他の空いているポートは利用できません。

フレックスホンのコールウェイティング機能では、通信中着信通知機能を利用することにより、2つのBチャンネルが利用中でも第三者からの着信を知ることができ、コールウェイティングに移行することができます。

できません。
128kbit/sで通信している時は、2Bチャンネルを使用しているため空きチャンネルがなく、他の電話機は使用できません。

ただし、BODをサポートしたターミナルアダプター（TA）ではこの限りではありません。
（Bチャンネル2本で128kbit/s通信中に電話がかかってくると自動的に1本のBチャンネルを電話用に解放する、「リソースBOD機能」をもっているのが一般的です。）
（→BOD機能に関しては「フレックスホンのコールウェイティング機能とターミナルアダプター（TA）の持つ疑似コールウェイティングとの違いは？」を参照）

BODとは、Bandwidtd On Demandの略語で、128kbit/sで通信中にネットワークの要請に応じて使用チャンネル数を自動的に増減する技術です。BODには次の2つの方式があります。

リソースBOD

インターネット等で128kbit/s通信中にアナログポートでの発着信があると、自動的に1本のBチャンネルを開放し、 64kbit/s通信に切り替え、開放したBチャンネルを通話に使用し、通話終了後、再度128kbit/sで接続します。^※1

スループットBOD

通信中のデータ量に応じて1Bチャンネル（64kbit/s）と2Bチャンネル（128kbit/s）を自動的に切り替える機能です。この機能を使って、使用チャンネル数の切替えタイミングをもっとも効率的にコントロールすることにより、余分な通信料を削減させることが可能になります。

1. 通信中着信通知サービスをご利用いただく必要があります。

コールバックは、接続して呼び返してほしい電話番号を送信し、一度回線が切断された後、着信側から発信側にかけ直す機能のことです。

この機能を使うと、発信側には11円が課金されます。

ターミナルアダプター（TA）の機種によっては、接続して課金される前に呼び返してほしい電話番号を送信して切断するものもあります。

ターミナルアダプター（TA）の機種にもよりますが、アナログ電話機がダイヤル信号（DP信号）になっていると利用できない場合があります。
例えば、INSメイトV-1S2、V-3、V-3DSU、V-5DSU、V-6DSU、V-7DSU、V-8DSUのアナログポートはPB信号でないと反応しないので、黒電話機等PB信号の出ない電話機はご利用できません。

ターミナルアダプター（TA）の多くはトーン信号（PB信号）でしか接続できない場合が多いようです。PB信号の出ない電話機を利用する場合は、アナログ対応にDP信号対応可能なターミナルアダプター（TA）を接続したうえでご利用いただくのが一般的です。

設定後、登録ボタンを押していないか、もしくはターミナルアダプター（TA）によっては一度電源を切る必要のある場合もあります。

交換機工事が正しく行えていない（ID送出機能設定ができていない）ことも考えられるので、交換機データを再確認することが必要です。

1台の電話機で通信中の場合、通常は、空きのポートにつながった電話機が鳴動して電話に応答することができますが、コールウェイティング機能を受けている場合は通話中の電話機にも信号が送られ、1本目を保留して2本目に応答することができます。

また、2台の電話機とも通信中の場合、通信中着信通知サービスを受けていれば、着信があったことが通知され、どちらかの電話機がコールウェイティング機能により1本目を保留して2本目に応答することができます。

発信者がG4FAXの場合

G4FAXから発信があると「相手電話番号＋ディジタル（G4)信号」が送信されるため、着信側では利用する通信モードの一致によりG4FAXが自動的に選択されます。

発信者がG3FAXの場合（アナログ網）

アナログ網のG3FAXから発信があると、相手電話番号のみで発信されるので、通信モードや高位レイヤ整合性に関する信号は付加されていません。そのため、着信側では判断ができず、どちらのFAXにも着信信号が流れます。

使えるものもありますが、通信機器が停電時でも通信を可能にする機能を備えていなければならないので、注意が必要です。なお、停電時でも1台の通信機器が通話できるように、網側（交換機側）が電力を供給（給電）しています。

例

• 網側の給電により使用できる通信機器→ディジタルでんわS-2000等
• 乾電池等のバックアップにより使用できる通信機器→INSメイトV-7、INSメイト V-8DSU等

G4FAXとG3FAX（アナログ）との通信はもちろん可能です。
しかし、G4FAXでもG3FAXと通信を行う機能（フォールバック機能）がない機器があるため、注意が必要です。

通信速度や画質については、相手がG3FAXであれば、G3FAXのモードで通信を行うため、G3FAX同士と同じ速度と画質になります。

ISDN対応のビジネスホンであれば、主装置にISDN対応パッケージを入れることで利用できます。対応していないタイプであれば、NTTのINSメイトV-8DSUなど、アナログポートを複数搭載したターミナルアダプター（TA）を利用すれば、既設の通信機器をそのまま使用でき、しかも回線の集約化が可能です。^※1

1. 機種によっては正常に動作しないものもありますので、ご購入前に確認する必要があります。

INS-Pをサポートしたターミナルアダプター（TA）を介することによって利用できます。

INS-Pを利用するには、Iインタフェースとパケット交換手順（80年版X.25）^※1をサポートしたデータ端末なら、ターミナルアダプター（TA）を介さずに利用できますが、それ以外には下表のような機能をもったターミナルアダプター（TA）が必要となります。

1. 80年版X.25
   パケット交換インタフェースとしてITU-T（旧CCITT）が定めた勧告。DTEを公衆パケット網に接続する際のDTEとDCE間のインタフェースを規定しています。X.25には、制定された年により、76年版、80年版、84年版の3種類があり、NTTでは80年版と84年版を合わせて、80年版X.25として扱っています。（84年版は80年版の機能拡充版）
2. PAD機能
   パケットの組み立て、分解をすることをいいます。入力データをパケット形式にして送出し、逆にパケット形式で受信したデータを元のデータ形式に復元します。

INSネットをご利用いただくためには、お客さま宅内の通信機器とNTTネットワークを結ぶための伝送上のインタフェース（同期、給電、2線式←→4線式伝送変換、過電圧保護等）をとる装置が必要となります。
これがDSUの機能というわけです。

さらに、DSUからは通信機器に対して、420mWの給電がなされているので、停電時でも通信が可能となっています。

なお最近ではDSUを内蔵したターミナルアダプター（TA）が多く発売されています。

DSUの製造経過年数に応じた価格でお買い上げいただくことができます。お買い上げ価格は、経過年数により以下のとおりとなっております。

DSU内蔵タイプのメリットはやはり価格です。DSUとターミナルアダプター（TA）^※1を別々に購入するケースより、DSU内蔵タイプのターミナルアダプター（TA）を購入した方が、一般的には安くなっています。

しかし、機種によってアナログポートの数や機能などが様々ですので、いちがいに価格だけで判断するのではなく、最も使いやすい配線形態や通信環境作りを優先した選択をおススメします。

1. DSU内蔵のターミナルアダプター（TA）
   NTTでは、INSメイトV30SlimというDSU内蔵タイプのターミナルアダプター（TA）を発売しています。このターミナルアダプター（TA）はデータポート1つと、アナログポート2つを搭載しているのが特長で、販売価格は15,180円です。

屋内配線については、特に移設するご要望がなければ、工事の必要もなく、そのままお使いいただいて、DSU以下の接続等の工事を行うことができます。

できます。
差し込み式になっていますので、DSUのLINE側と既設のモジュラージャックを2Wの電話機コードでつなぎ、DSUのTERMINAL側とコネクター（ISDN用モジュラージャック）または終端抵抗付きの通信機器を4Wの電話機コードでつなぐだけで、工事ができます。

市販のターミナルアダプター（TA）には、予めDSUやコネクター、コード類がセットになっていて、自分で簡単に接続できるように「ケーブルキット」として販売されているものもあります。

ただし、極性が逆になっている場合は、工事が必要となります。

INSネットを設置する際に、既設の屋内配線とモジュラージャックを利用し、DSUや通信機器等をお客さまで工事される場合は、基本的にNTT西日本はお客さま宅に伺いません。

既設の屋内配線、モジュラージャックを利用し、DSU、機器配線（ISDN用ケーブル）、コネクター（ISDN用モジュラージャック）、通信機器と接続（またはDSU内蔵のターミナルアダプター（TA）と各通信機器を接続）することによって、INSネット64に切り換えできます。(→「INSネット64を設置する際、既存の屋内配線やモジュラージャックはそのまま利用できるのか？」、「DSUの工事は自分でできるのか？」を参照)

ただし、各部屋でご利用されたい場合には、マンション等では配管がどのようになっているか等により工事内容が異なってきますので、管理人などの確認が必要です。

例えば、1階にDSU、データポートとアナログポート搭載のターミナルアダプター（TA）をパソコンとつないで設置し、ターミナルアダプター（TA）のアナログポートから2階への機器配線を張り、アナログ用の電話を取り付けるという方法があります。

ただし、ターミナルアダプター（TA）と電話機との間のループ抵抗値が550Ω以下（機器によって異なります。）という条件を満たさないと、電話機が使用できない場合があります。

工事業者に前もって工事をしてもらう方法と、工事業者には配管のみを工事してもらい、後でINSネット導入時にNTT西日本工事で機器配線をする方法とがあります。

これらのうち、どちらでも構いませんが、工事には資格が必要ですので、担当の工事業者がISDNの工事ができることを確認してください。

線路抵抗とは、INSネット64を提供するために必要な加入者伝送路（NTTの交換所からお客さま宅までのケーブル）の電気抵抗です。この値が大きいとINSネット64を引くことができません。

具体的なINSネット64の加入者伝送路の条件は、

1. 直流ループ抵抗810Ω以下
2. 伝送路距離8.5km以下
3. 伝送路損失50dB以下（交流160kHzで測定時）

の3つの条件を満たさなければなりません。

今までお使いのアナログ電話は、直流ループ抵抗の上限値が1400Ω程度まで許容されており、実際には、1000Ω程度以下になるように、敷設するケーブルの太さを選定しています。そのため、交換所からかなり離れている場合には、INSネット64の上限である810Ωを超えるケースが発生してしまいます。
なお、地域によっては、810Ωを超える上限値を設定している場合があります。

バス配線上では、不可能です。0.65mmのツイストペアケーブル使用の場合、端末間が50mを超える場合には、配線の総延長距離は150m以内の規定になっています。

ITU-Tの勧告をもとにしたユーザ・網インタフェースの条件で、コネクター等の電気物理条件が規定されており、そのなかでコネクターは8ピンとなっています。

ただし、INSネットで実際に使用するのは当面、8ピンのうちの4ピンです。

インピーダンスのマッチングをとるために、100Ωの抵抗付コネクターを設置します。マッチングがとれない場合は、データの歪みや雑音が生じることになります。

DSUの内部抵抗100Ωと終端抵抗100Ωの接続はバス配線のT線・R線のそれぞれに接続されており並列につながっています。このためバス配線上の線路抵抗は50Ωになります。

50Ωの抵抗でDSU・端末は750mVのパルスを出力する仕様になっており、複数の抵抗が付くと線路抵抗は低くなり正規のパルスではなくなってしまいます。

そのため、端末機・DSUはパルスを認識できなくなり通信が不能となります。

これはバス配線の4芯の結線方法が間違っているためなので配線のやり直しが必要です。

NTTで使用しているバス配線の色は、青・白・黄・茶であり青白が一つのペア、黄茶がもう一つのペアとなっており、ペア同士が捻ってあります。
使い方としては一つのペアをT線、もう一つのペアをR線として、必ずT線・R線のAB線（青白・黄茶）はペアとして色をそろえてコネクターに配線してください。

また、心線径が0.65mmのツイストペアケーブルを推奨します。

ケース1

屋内配線の「L1/L2」線が逆になっている可能性があります。その場合は、モジュラージャックの局線を逆にしてください。
なお、最近のターミナルアダプター（TA）ではINS回線リバーススイッチ等で局線を反転できるものもあります。

ケース2

DSU内蔵ターミナルアダプター（TA）の電源が切れている可能性があります。電源を入れてください。